【私の願った希望】 (ページ10)

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5話ページ10

『…書けたよ』
「ん…ちゃんと字は書けるみたいだね」

連れられたのは風紀委員の本拠地である応接室。校則としてカルラの髪色は違反に触れているため入学も含め、頭髪、アクセ許可証を記入している。

「コンコンッ)) 委員長、例の品が届きました。」

副委員の草壁が段ボール箱を机の上に置いて退室していった。中には二着のセーラー服に腕章。

「これが君の制服で風紀委員としての証しだよ。
着替えておいで。」

トテテテッ…と小走りで隣の部屋に向かっていった
残った箱の底に資料が一枚。
内容は勿論、カルラについての情報。

(戸籍はなし…出身、生年月日、血液型、両親でさえも不明ねぇ。僕の情報網を駆使しても収穫はゼロと…)

存在を示す証拠も一切なし。手がかりすらもなく雁字搦め(がんじがら)で解ける手応えが全くない。

頭を抱えるどころか

(興味深いね♪)

得体の知れない一人の少女に対しての好奇心に口端を上げて、不敵に笑っていた。