【私の願った希望】 (ページ21)

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15話ページ21

同室の連中は貧弱過ぎて退屈だ。暇つぶしにもならなかった。ベッドの下に転がる屍(咬み殺された病人)を気にせず読書に勤しむと新たな獲物が来た。

「ヒバリさん！」

「やあ。」

「うそぉおーーー！？えぇっ！？なんで病院に！！」

「煩いよカルラが起きる。」

「え？」と間抜けな声が出た。するともぞっ、とシーツの膨らみから白い頭が出てきた。

(あっ！この子はあの時の。)

群れ嫌いの最恐風紀委員長が女の子と一緒にいる事態が有り得ない。誰もが天変地異の前触れかと思うだろう。

(でも…ヒバリさんの目がこの子に対しては
とても優しい感じがする。)

何度か咬み殺されかけたツナから見て”雲雀恭弥”とは
集団または癪に触る者を問答無用、完膚なきまで
メッタ打ちにする一匹狼という印象だった。

だが、白髪の少女( カルラ)を撫でるその手はトンファーを握る時の力強さはなく、柔らかで
漆黒の瞳は穏やかな光を灯していた。

(それだけ大事にしてるんだ、カルラちゃんのこと)

「勝手に見ないでくれる」

「ひいっ！すいません！！」

「それと馴れ馴れしく名前を呼ぶな」

「テレパシー！？」

機嫌が悪くなり、即メッタ打ちを喰らい病院奥深くのホルマリン漬けやら人体模型が整備された実験室の様な病室に移行となったツナであった…