【私の願った希望】 (ページ14)

今日:23 hit、昨日:0 hit、合計:27,284 hit

9話ページ14

純黒の美しいドレス。同じ色のヒールブーツ。左目を覆う眼帯には黒薔薇があしらわれている。
何もかも

黒く黒くドス黒い…ーーーーーー

唯一覚えている”役目”と”指名”。
蔓延る災厄の象徴である魔女を狩ること。

それ以外は霧がかっているみたいで何も思い出せない。自分が何者であって、そして何をしていたのか。

ーーザンッ！ザグリッ！

《ギィィィッ！！カカカカカッ……》

バスケットボールに多数の手足が生えた使い魔。
弾みながら向かってくる。鎌槍(ハルバード)で切り裂くと勢いよく飛んでいった。

それに続いて、跳び箱の段が発射される。難なく避けて、真っ二つにする。
バラバラにされた使い魔の残骸を払い、更に奥に進む。

不思議と体が軽くて、底から力が溢れてくる。ずっとずっと、戦うことを望んでいた。
どうして何だろう…でもそう思わずにはいられない

ーーガチャ

扉の先には結界を生み出した根源が鎮座していた。