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side:you
_数日後
VIProom前
黒服「申し訳ございません。」
完全に想定外だった。
今私はピタリと閉じられた扉の前で、文字通り門前払いをされている。
あの日、あの場にいなかったはずのジェシーにシリアル破棄…所謂出禁にされていた。
ただの100ドル札になった紙切れを握りしめる。
一体誰が告げ口したのだろうか。
大我「あ、この間の」
爆音をカクテルパーティー効果で掻き分け、鼓膜に届いた声、
A「…すみません、どなたでしょうか」
持ち主は、京本大我。
大我「あれ、酷いな忘れたの？俺君にぶつかったのに」
ここ。痛くなかった？
と馴れ馴れしく右肩を指でなぞられる。
日本人離れした端正な目鼻立ちに見つめられると、床に這いつくばった彼女の気持ちが分からないでもない。
A「生憎、お名前を伺ってなかったので」
大我「あ、そっか。みんなは'きょも'って呼んでるよ」
A「きょも、さん」
可愛い渾名に似合わず片頬を吊り上げ微笑むと'よく出来ました'と触れていた肩に腕を回してきた。
大我「で、入らないの？こんな所で立ってるなんて怪しまれちゃうよ？」
…回された腕を振り払おうとしたが、ふと思考が巡る。
同伴者なら、入れるのではないだろうか。
A「実は入れなくなってしまって…」
大我「あー、きっと北斗と一緒にいたからジェシーの機嫌損ねちゃったんだね」
A「…お詳しい、ですね」
彼は先日の一部始終を知っている。
仕方ない、あの部屋の奥で不機嫌そうにグラスを煽っていたのは見えていた。
しおらしくする戦略は通らないと腕から抜けようとすると、ぐっと力任せに身を寄せられる。
大我「Aちゃん、変わってるよね。普通あんな空気作った後に来れないもん」
A「なんで名前…っ」
大我「君に興味があるから、かな。俺に着いて来てくれれば中に入れてあげるよ」
目の前に垂らされたハイリスクハイリターン。
掴むも地獄。逃すも地獄。
ならば縋りついてやる。
大我「あーよかった。頷いてくれなかったらどうしようかと思った」
肩を抱かれたまま先程は入れなかった扉の前に再び立つ。
黒服「京本様、そちらの方はシリアルが…」
大我「何？今は'俺の、'だから」
不審そうな黒服に一瞥され、扉をくぐる。
敷居を跨いだ瞬間、囁かれる。
大我「貸し1、ね」
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七星のあ - あおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます☺︎ご期待に添えるように頑張ります。 (2022年11月29日 23時) (
レス) id: 0371497e5e (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - モチーフになった曲も大好きなので、こういう作品読みたいと思ってました！！見つけられて良かったです☺️☺️楽しみにしてます。 (2022年11月28日 0時) (レス) id: 0c466d2450 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七星のあ | 作成日時：2020年7月10日 8時
