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side:taiga
良く磨かれた黒床をヒールの音と共に進むと、まだ誰も来ておらず定位置は無人だった。
A「…ありがとうございました。助けて頂いて」
ソファに腰掛けると、余所余所しく間を空ける彼女。
大我「どういたしまして。Aちゃん」
態と名前を呼ぶとひく、と瞼が動く。
疑り深い性格なのか。
大我「…Aちゃん、お父さんが病院の院長で、仕事はカトリック系幼保園の理事長…あー、あそこか。うちの事務所の子役も何人か通ってるな。へぇ、若いのに偉いんだ」
スマホに送られてきた身辺調査書を読み上げると、徐に嫌な顔をするかなと思ったが意外にもじっとこちらを見つめるだけでアクションはなかった。
足を組み替え、続ける。
大我「小中は公立行って…高校だけは職場と系列法人の女子高、大学は海外行ったんだ。楽しかった？」
A「どうしてそんな事…」
やっと声を上げた。
端末から顔を上げ、先程開けられた間を詰める。
黒い髪と服に包まれた肌が先ほどよりも血の気が引き、青白くなって赤いリップを際立たせる。
温度のない頬に指をなぞる。
大我「言ったじゃん。君に興味がある」
A「好奇心、の間違いじゃないですか？」
大我「…確かに。それもあるかもしれない」
A「調べて頂いた通り、興味を持って頂けるような面白い人間じゃないですよ」
少し機嫌を損ねたのか、綺麗なフレンチラインを描いた爪先で頬の手を払われそうになるのをもう片手で制す。
大我「…さっきの貸し、今返してって言ったら嫌？」
A「え…？」
背後の扉が開く音がする。
大我「今日一日俺のものになって」
A「それはっ、」
後ろからふたつの足音。
頬をなぞる手を後頭部に回し、唇を重ねる一瞬前。
彼女の瞳孔越しに見たのは予想通りの人物。
ジェシー「あれー？！田舎娘ちゃんじゃん！」
北斗「お前よくこのタイミングで声掛けられたな」
俺の腕の中で驚いたように身を捩る彼女。
逃がさない。
ここからがこの場所の醍醐味なのだ。
A「っは…あの、後ろ…」
大我「だめ、俺だけ見てて。」
瞳の奥を揺らしながらこちらを見つめる。
ポケットから引き抜いた100ドル札を、悪戯に覗く谷間に捩じ込んだ。
A「…いいよ、」
綺麗に弧を描いた彼女の口角に
背筋が震えるほどの甘い興奮を覚えた。
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七星のあ - あおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます☺︎ご期待に添えるように頑張ります。 (2022年11月29日 23時) (
レス) id: 0371497e5e (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - モチーフになった曲も大好きなので、こういう作品読みたいと思ってました！！見つけられて良かったです☺️☺️楽しみにしてます。 (2022年11月28日 0時) (レス) id: 0c466d2450 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七星のあ | 作成日時：2020年7月10日 8時
