自分を恐れる少女がみんなに愛される話 (ページ41)

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無一郎と任務③ ページ41

そう言って部屋にこもった無一郎。

絶対入ってくるなと言われて私は戸のまえで待機している最中である。

そして扉から出てきたのは美少女…

無「…何見てんの。」

もとい少し不機嫌そうな無一郎だった。

なるほど女装…無一郎は髪の毛も長いし顔も整っているから本物の女の子にしか見えない。

しかも美少女←何回言うんだ

『やだ…なんかすごい敗北感ある。』

剣の才能もあってイケメンでおまけに美少女って…どれだけ神様に愛されているの無一郎は。

律はそう言って泣き崩れた。

無「は？何言ってるか意味わかんないんだけど…」

『気にしないで…持たざる者のただの戯論だから…』

無「……よく分かんないけどさっさと準備して行くよ。」

こうして無一郎が夜の村を歩くことになった。

計画では無一郎が捕まったふりをして後ろから私がついていき本拠地を炙り出す事になっている。

早速怪しい奴が1人無一郎に近付いていく。

あいつが………

比較的細身の男で力があるようには見えない。

一体どうやって…

男は小瓶を持っておりその中身をを一滴無一郎に垂らした。

一体何が始まるのか…

すると無一郎はばたりと倒れてしまった。

何が起こったのかは分からない。

だが村に残されていた血痕はあの小瓶に入った液だったと考えて間違いないようだ。

あのビンからはごく少量の鬼の気配が感じられた。

おそらく何かの血鬼術を無一郎に使ったのだろう。

だとすると囮は私じゃなくて正解だ。

男は無一郎を抱き抱えて走っていった。

すかさず後を追う律。

男は小さな山小屋に無一郎を連れて入る。

ここが本拠地なのだろうか…

そっと中を見る。

男「はぁ…はぁ…可愛いね君。俺のタイプだよ。ぐへへへへへ。君もはやくしたくてウズウズしてるんだろ？今すぐ気持ちよく…

ドカッ

無「キモいなー。俺男に組み敷かれる趣味はないんだよね。とりあえず、あの瓶の中身をどこで手に入れたのか教えてもらおうか？」

男「俺…？！まさか君女の子じゃないの…そんなに可愛いのに。」

それを聞いてブチギレた様子の無一郎。

男の胸ぐらを掴みあげている。

男「っぐぁ……はなせ………。」

無「いいから。死にたくなければ質問にだけ答えなよ。」

音「っ………！！」

ブチギレの無一郎を見てこのままだと本当に男が死んでしまうと判断した律はすかさず間に割って入り男を拘束したのであった。