狗巻棘くんは私と結婚する運命【呪術廻戦】

参拾陸話 謎の男 ページ40

「迎えに来ましたよ


大いなる巫女よ」




男の人はにぃ、と笑む




後ろには萌黄が控えている




男の人が指を鳴らすと



私の枷は自然と解かれる



「さ、こんな黴臭い所


貴方に似合いませんよ」





いきましょう？と男の人は手を差し出した






私はおずおずと手を重ねた






外にでると光が目を刺激した





最初は眩しくて見えなかったけど




段々とその惨状が明らかになる






「っ、、、」




思わず息を飲んだ




そこは地獄絵図




御堂家の使用人達が全て息絶えていた








男の人は何も言わずに私の手を引いて


エスコートする









ギシ、と後ろから板が軋む音が





後ろを振り返ると、、、






「、、、お父様」





肩を切られた父が立っていた




立つのすらやっとの様子だ





「お前は、、、何者だ」





男の人はにぃ、と笑う





「あの攻撃で行き長えたのは賞賛するよ



でも





これから死にゆく輩に名乗る必要は








ない」





また男の人がパチン、と指を鳴らす






途端に父が悶え苦しむ





倒れて大きく痙攣しながら



私に手を伸ばす






「お前っさえ、、、いなければ！！」





そういう父の瞳は憎しみと怒りを宿していた





父は数秒悶えて息絶えた







私は口元を抑えて嗚咽を漏らす





「ごめん、なさい、、、」




小さく私の声が廊下に響く





お母さんと同じ目をしたお父様






泣き崩れる私を




男の人はまた手を差し出した





「さぁ」





急かすように紡がれた声は優しい





私はまた手を重ねた





外には車が用意してあり




その車に乗り込む





「あの、、、あなたは、、、」




私の問いかけに男の人は笑う






「夏油です




夏油傑




以後お見知り置きを、巫女」





私はちょっと眉根を寄せた





「あの、、、どうして巫女なんですか？

それと、私になんの用が、、、」





夏油さんは私を見据える





「あなたに大いなる力を産み落として欲しいんです」



どくん、心臓が早鐘を打つ





「呪霊を




その身に宿す気はありませんか？」





この人も、、、悪魔だ


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ＮＯ side 〜その頃〜


棘達は御堂家を訪れていた




御堂家は酷い惨状




棘はゾッとした



この数多の屍の中に浅葱がいたら、、、



その考えは杞憂だったようだが



結局浅葱は見つからない






「っ、、、」




棘は唇をかみ締めた

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