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「…〜ってことがあってさぁ、どっと疲れちゃったよね」


昼休み。

昨日の出来事を光になんとなく喋った。

「自転車戻してくれるなんて、人は見かけによらないね〜優しいね、その人。」
なんて言う光。

「でもいのちゃん、疲れたとか言いながらなんか嬉しそうじゃん(笑)」

…え?何いってんの?


「いやいや全然嬉しくないから!!

…って言うと語弊あるか。確かにありがたかったけど!出来ればもう関わりたくないって言うか……」


「そうかなぁ?いのちゃんな〜んか顔緩んでるけど、そのイケメンにキュンキュンしたんじゃないのぉ〜〜〜〜??」

ニヤニヤしながら私のことをつついてくる光。



そんな訳ないから!

ツンとした私の反応が面白いのか、ますますからかってくる光。



〜〜〜

“下に潜ったらあぶねーよ?(笑)”


見上げた先に見えた、自転車を支える男らしいけどシュッとした腕。

覆いかぶさるような体勢による距離の近さ。

影になって暗いけど見える、整った顔。

ふわっと香る、海のようないい香り。

〜〜〜

なぜか急にフラッシュバックしてきて。
自分の頬が熱くなるのが分かる。

え、なんでなんで?

助けてもらっといて悪いけど、正直ああいう人たち苦手だし、気疲れしたはずなのに……


「いのちゃん顔赤いよ(笑)」

光に両ほっぺたをむにっと掴まれる。


「うっひゃい…!(うっさい)」

うまく喋れない私を見ておかしそうに笑う光。

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作者名:林檎ばなな | 作成日時:2022年6月20日 23時

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