MEMORY 【影山飛雄】

21. お守り ページ22

…







　『…で、でかすぎない？』




　白鳥沢に足を踏み入れて、
　茫然と立ち尽くす。


　待って、青城と比にならない。
　ホテルか…そうなのか…？？





　12月某日。
　1年生選抜合宿
　いわゆる宮城県疑似ユース




　私は足を踏み入れた。
　正直、飛雄がユースに行ってくれて
　本当に安心した。

　技術が認められた…とかじゃなくって
　顔を合わせなくていい。

　というとこに安心している。




　いけない…今は集中しなきゃ。
　ライバル校に足を踏み入れたのだから。

　いや、相手はライバルだとも
　思ってないだろうけれど。



　無駄に爽やかなジャージの袖を
　ぎゅっと握りしめる。



　…ちょっと、でかすぎたかな。



　不安すぎて及川のジャージを借りた。
　腕まくりすれば、でかくないし。
　まぁ…12センチ差もないし。


　てか、下はトレーナーだし。
　どうせすぐ脱ぐけど


　安心、するから。
　お守りだから。




　そっと目を瞑って
　ジャージを強く握る。









　



　




　「え、烏野9番…？
　 え、身長低い…
　 え、俺とあんま変わんねぇ」



　『え、白鳥沢10番…？
　 え、前髪斜めすぎない？
　 え、私とあんま背変わんない…』





　「『 は？ふざけんじゃねぇよ 』」









　誰が飛雄じゃい。







…

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