夢うつつ。(×in) (ページ6)

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hk side

寝室まで運べば満足そうにふわりと笑う。

「ひかる、おやすみ」

「うん、おやすみ」

首までしっかりと毛布を被って寝るいのちゃん。

頭まですっぽり、なんてことも日常茶飯事で、汗だくになっちゃうから隣で見ててあげる。

今日は肌寒いから大丈夫そうだ。

なんで寝てるのにこんなにもかわいいのか、なんて答えが一生出なさそうな問いを考える。

もうそろそろ深い眠りについたかな、とほっぺをつついて確認するとピクリとも起きない。

それならば……

ゆるく猫の手のように丸められたそこに、すーっと自分の指を持っていくと。

きゅ、と優しく握られる。

俺の密かな毎日の楽しみ。

世の人が赤ちゃんに握られた時感じる幸福のように優しい幸せが心を満たす。

起きてる時はあんまり甘えてくれないから、この瞬間が結構嬉しい。

トイレに行くためにそっと指を離そうとするも、さっきより力強く握り返される。

まるで、離さない、なんて言われてるみたいに。

あーもうかわいい。

きっと、絶対、俺だけが知ってるだろう可愛い秘密。

綺麗でかわいいその手にそっとキスをしてもう片方の手で頭を撫でた。

fin.