mou hk×in ページ17
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遠くにあった意識が浅いところまで戻ってきて目を開くことが出来そうになったとき、ふわりと暖かいものが頭の上にやってきた。
それはふわふわと俺の頭を何度も往復する。
この暖かくて優しくて気持ちのいいものを俺は知っている。
もう少し味わおうと再度とろりとした微睡みの中に埋もれる。
すると次は柔らかで安心出来る音が聞こえてきた。
口癖のように紡ぐその音は彼のお気に入りの曲で、普段話す時の舌っ足らずな音とは違って透き通るような甘いけど甘すぎないそれが俺の鼓膜に伝わってくる。
もう少し、聞きたいなぁ。
そんなことを思っていると、どうやら眠たいもやもやはどこかへ行ってしまったらしくふ、と意識が浮上する。
ぼんやりとした視界に彼の姿を捉えた途端、胸の当たりがぽかぽかするのだから相当だ。
目を覚ました俺に気づかないままそっと頭を撫でながら小さな声でお気に入りの歌を歌うひかる。
あ、気づいた。
「あ、いのちゃん、起こしちゃった?」
まだ声を出すほど喉が起きていない俺はふるふると頭を降って答えると、ひかるはそっかと微笑んだ。
身長はほとんど変わらないのに俺より少しだけ大きな手でほっぺたを優しく包まれる。
そのまま目の下をすりすりと親指で撫でられるのが好きなの、ばれてるなぁ。
俺猫だったら多分喉ゴロゴロ鳴らしてるよ。
「ふふ、かわいい」
ちゅ、と瞼に柔らかな感触。
満足そうにまた俺の頭をわしゃわしゃとするひかるに身を任せてもう一度目を閉じた。
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すいのん(プロフ) - ゆ 。さん» とてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます!励みになります(;_;) (2023年4月5日 0時) (レス) @page29 id: 2a4d715210 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ 。(プロフ) - 数少ないjgin小説ありがとうございます。主様の書き方がすごく好きで何回も見させていただいています!! (2023年3月30日 18時) (レス) id: 132d25980b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すいのん | 作成日時:2020年12月31日 0時