●薔薇の花99本‐Tom Riddle Sr ページ37
「とこしえの愛」――ずっと好きだった。 / トム・リドル
( とこしえ ＿ 意味：ずっと続く。変わらないことをさす )
‐
ある冬の日だった。
トムは廊下で、先生の笑えぬジョークに耳を傾けていた。半分呆れながらも、おとなしく笑って聞いていた。
( はやくAに会いたい…… )
夕陽が射し込んで、窓枠の影が廊下をいっぱいに包みこんだ。
トムはそんな風景が好きだった。
昔読んだ本の影響らしい。
――「夕方の太陽は、愛しいあの人のように眩しい。
朝陽のように眩しすぎるようでは見えないので、私は夕陽が好きだ」――
「あーこんなとこにいた! トム、校長先生に呼ばれてるよ。――先生、リドルを借りても?」
突然の声に反応できず、ただゆっくりと後ろを向いた。
( A。 )
彼女はトムの手を掴み、先生ににっこりと笑いかけた。
「あぁ、いいよ。すまんな、リドル。私のつまらん話を聞いてくれてありがとう」
「いえ、そんなことは。では」
「――校長先生が僕を呼ぶときは決まってマクゴナガル先生が呼びに来るんだけど」
「バレたか」
「Aはいちいちわかりやすい」
「トム以外なら騙せるのに」
( つまり、僕は特別ってことか? )
そんなささいなことで、トムの心臓ははねあがる。
Aにいまだに掴まれた手が、ぶわ、と熱を帯びるのがわかった。
「あ」とひとこと。
「ごめん、手」
「僕のことが好きなら離れないでくれ」
とっさに口から出た言葉は、いつもなら言えないような彼の本音だった。
「え……」
「好きじゃないなら、離してくれても構わない」
嫌がるだろうな、と思い
トムは目を伏せた。
( 馬鹿なことしたな )
「ううん」
消え入りそうな声だった。
掴まれた手は、まだ熱い。
「トムのこと、好きじゃないわけないよ」
「は……」
意味が理解できなくて、声が裏返った。
( どういう―― )
Aは急に、トムの手を自身の顔の高さまで持ち上げた。途端、トムの手は彼女の口に近付く。
ちゅ。
「へへっ」
にやりと笑うA。トムは気が気でなかった。いつ彼女を押し倒してしまうか、心配だった。
( なに……、可愛いんだけど )
「あのね、ほんとはずっとすきだった、っ」
「僕も」
「好きだ」
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棗野 ｡(プロフ) - feat.もうしら寝さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません！ リクエストありがとうございます、早急に作りますね！ (2016年1月24日 22時) (
レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
feat.もうしら寝 - ありがとうございます!リクエストでいろいろこまかいんですけど「ダーズリー家に夢主の猫が迷いこむ」→「許可をとり探しに来た夢主にハリーが一目惚れ」→「ハリーと同学年のグリフィンドール生であることが判明」→「いろいろあってハッピーエンド」という話を。 (2015年12月29日 16時) (レス) id: d5ada5d17a (このIDを非表示/違反報告)
棗野 ｡(プロフ) - feat.もうしら寝さん» いえいえ、こちらこそ！ もちろんですよ、リクエスト待っています！ (2015年12月23日 16時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
feat.もうしら寝 - ありがとうございます！ またリクエストしていいですか？ (2015年12月22日 14時) (レス) id: 506c16022b (このIDを非表示/違反報告)
棗野 ｡(プロフ) - feat．もうしら寝さん» ごめんなさい！ 誤字がありました、わざわざ、です！ 意味不明なこと返信してしまい申し訳ありません……(*_*; (2015年12月20日 23時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗野 ｡ | 作成日時：2015年8月8日 22時
