高嶺の花の女の子‐Harry Potter ページ36
からまわりばっかり、でも伝えたいんだ。 / ハリー・ポッター
‐
「こんなに一途に、君だけをおもっているんだ」
ハリーはベッドでひとこと、ぽそりと呟いた。
夜はもう深く、この部屋で起きているのは彼だけだった。
「好きだよ。付き合おう」
ハリーがこんなにも甘いことをひとり呟いているのには、訳があった。
(伝えよう伝えよう、って、思ってるばかりで勇気がない。そうだ。うん、明日はちゃんと告白しなきゃ――。)
好きなあの子――おなじ学年でいちばんかわいい、高嶺の花の女の子、A――のなにもかもを、ハリーはひとりじめしたかった。
こんなきもちになるのは二度目だった。
チョウのことを好きだったあのときは、自分が馬鹿なせいで、二人の心は離ればなれになってしまった。もう二度と、あんな失態をおかしたくなかった。
「よし……」
―翌日―
「やあ」「おはよう」
「おはよう、フレッド、ジョージ」
「明後日からクィディッチ予選だな？ 風邪は引くなよ！」
双子のウィーズリーに両肩をバシッと叩かれ、ハリーは自分の眼鏡がずれたのを直し、グリフィンドールの寮をでた。
そこでなにかにぶつかった。
「った〜」
「あっ、ご、ごめん……あ」
気づいたときにはもう遅かった。
頬が紅潮して温度が高くなるのが自分でもわかった。
「おはよ……、あー、その！ いい天気、だね？」
「そうだね」
Aは無表情な顔で言った。
それでもハリーは、笑顔だった。
(いい天気だねって、何の話だよ、馬鹿……。そうじゃなくて、告白するって決めたんだから)
彼女はもう踵を返していた。行ってしまう。そう思ったハリーは自分の髪を撫で付けながら叫んだ。
「待って、A！」
「えっ？」
「す、き……」
耳が熱く、目の前が真っ暗になった。
それでもハリーは逃げなかった。
「何て？」
「僕、君のこと……、」
世界がハリーを中心にしてくるりと回った気がした。ぼやけて見えるAの瞳を見つめた。もう目の前は暗くない。これなら、言える。
「好きだよっ」
「えっ？ ごめん、聞こえなかった」
「え……」
後日談だが、ハリーは「このとき僕のハートはAにぶっ壊された気がしたよ」と笑いながら語った。
(だって、ポッターったらかわいいんだもん……。意地悪したくなっちゃうでしょ？)
‐
隠れハリーファンだったAさん。ただのツンデレ。リクエストありがとうございました！
●薔薇の花99本‐Tom Riddle Sr→←恋が終わるとき‐Remus Lupin
- 金 運: ★☆☆☆☆
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棗野 ｡(プロフ) - feat.もうしら寝さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません！ リクエストありがとうございます、早急に作りますね！ (2016年1月24日 22時) (
レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
feat.もうしら寝 - ありがとうございます!リクエストでいろいろこまかいんですけど「ダーズリー家に夢主の猫が迷いこむ」→「許可をとり探しに来た夢主にハリーが一目惚れ」→「ハリーと同学年のグリフィンドール生であることが判明」→「いろいろあってハッピーエンド」という話を。 (2015年12月29日 16時) (レス) id: d5ada5d17a (このIDを非表示/違反報告)
棗野 ｡(プロフ) - feat.もうしら寝さん» いえいえ、こちらこそ！ もちろんですよ、リクエスト待っています！ (2015年12月23日 16時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
feat.もうしら寝 - ありがとうございます！ またリクエストしていいですか？ (2015年12月22日 14時) (レス) id: 506c16022b (このIDを非表示/違反報告)
棗野 ｡(プロフ) - feat．もうしら寝さん» ごめんなさい！ 誤字がありました、わざわざ、です！ 意味不明なこと返信してしまい申し訳ありません……(*_*; (2015年12月20日 23時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗野 ｡ | 作成日時：2015年8月8日 22時
