Takusan no Suki‐James Potter ページ25
悪戯やリリーやスネイプなんかよりも、わたしを構ってよ……! / ジェームズ・ポッター
ジェームズはいつも輪の中心にいた。誰に対しても同じような接し方。だけど、好きな人には人一倍優しく。
クィディッチがうまくて、魔法もうまくて、頭が良くて、好きな子に対して一途だったから、女の子にとても人気だった。
だけど彼には癖があった。
それもとっても悪い癖。そこも含めて好きなんだけど。
「スニベルス! やあ、今日もいい天気だな! 今日はこんな悪戯を用意したんだ……気に入ってくれると嬉しいよ」
そう言うとポケットの中から鍵のようなものを取りだし、スニベルスと呼ばれた少年に向かって投げた。そうすると鍵から鳥かごのような檻が出てきて、少年はそのなかに閉じ込められた。
「はははっ! ジェームズ、今日のお前ってば最高だぜ。あれでスニベルスも逃げ出せまい」
「だっろー? 昨日のクィディッチ戦から調子がいいんだ。なんてったってリリーが応援してくれたからね」
盛り上がった観衆のなかには彼の言うリリーもいた。眉をつり上げて怒っているようだけど、彼はそれに気付かない。リリーに自分の“いいところ”を見せたい一心で。
「ジェームズ」
「ん……? あれ、Aじゃないか。君も見に来たのかい? 珍しいな」
ジェームズは自分に近寄ってくるAを見て、ニヤッと笑った。
「リリーも来てるけど」
彼の眉がピクッと動いた。
――しまった、言ってしまった。何やってんだよと心の奥で自分を責めた。
「本当? どこ?」
教えたくはなかった。だけど好きな人の頼みだった。それに自分で教えたのだから言わないといけない。わかっている。だけど……。
もう彼は口角を上げてはいない。ソワソワしながら周りを見回していた。真面目な顔をして。
「あそこ、だよ」
心配そうに少年を見詰めているリリーを指差した。すぐ後にジェームズが「ありがとう。行ってくる」と言った。
「……行かないで」
やっぱり彼はこっちを見てはくれない。
リリーを見るような真面目な顔で、悪戯するときのような楽しそうな顔で、少年をいじるときのような生き生きとした顔で……見てはくれないのだ。
絶対にわたしのほうが彼を想っているのに。
ありがとうと言うならせめてもっと笑顔を見せて。
お礼を言うのならもっと違う言葉でわたしを満たせて。
何よりもたくさんの「好き」で。
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棗野 。(プロフ) - feat.もうしら寝さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません! リクエストありがとうございます、早急に作りますね! (2016年1月24日 22時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
feat.もうしら寝 - ありがとうございます!リクエストでいろいろこまかいんですけど「ダーズリー家に夢主の猫が迷いこむ」→「許可をとり探しに来た夢主にハリーが一目惚れ」→「ハリーと同学年のグリフィンドール生であることが判明」→「いろいろあってハッピーエンド」という話を。 (2015年12月29日 16時) (レス) id: d5ada5d17a (このIDを非表示/違反報告)
棗野 。(プロフ) - feat.もうしら寝さん» いえいえ、こちらこそ! もちろんですよ、リクエスト待っています! (2015年12月23日 16時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
feat.もうしら寝 - ありがとうございます! またリクエストしていいですか? (2015年12月22日 14時) (レス) id: 506c16022b (このIDを非表示/違反報告)
棗野 。(プロフ) - feat.もうしら寝さん» ごめんなさい! 誤字がありました、わざわざ、です! 意味不明なこと返信してしまい申し訳ありません……(*_*; (2015年12月20日 23時) (レス) id: 2e90d9dd81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗野 。 | 作成日時:2015年8月8日 22時