シロハ・タオ ページ2
星間複合企業 ケイオス ラグナ支部
ケイオス ラグナ第三戦闘航空団 Δ小隊 指令室
「…トリーブ？」
Δ小隊隊長、アラド・メルダースは、報告書に上がっていた単語を呟いた。
報告書には、彼らΔ小隊が目撃した事の仔細が書かれている。
「はい。最近、辺境の星々で話題になっている武装集団のようです」
戦術音楽ユニット「ワルキューレ」リーダー、カナメ・バッカニアが、そのトリーブの「ライブ映像」をモニターに投影した。
途端、指令室に信じられないほどの爆音が鳴り響く。
「うわッ！音やっべぇ！」
「……騒音だな…」
隊員であるチャック・マスタングが両耳をふさぎ、隊のエースであるメッサー・イーレフェルトが眉間にしわを寄せる。
カナメが慌てて音量を下げて指令室が落ち着くと、アラドは映像の隣に示された生体フォールド波の異常値に目を見張った。
「こいつら…ワルキューレ以上の数値を…」
フォールド波の強弱を示すパラメーターが、通常値の三倍を記録し続ける事はない。
赤く染まったその指数は、トリーブと呼ばれる彼らの非凡さを雄弁に表していた。
そしてこれは、ただの「映像」なのである。
「ってことはこいつら、実際にはこれ以上の数値を叩きだせるってことかよ！？」
「そうね…測定機付きの記録媒体で録音されたわけじゃないから」
チャックが驚きに顔を歪ませ、カナメは手元の資料にある情報提供者の名前を見た。
『ダバク・アサド』
傭兵団 アントロポファジーを率いる、通称「人喰いの獅子」。
彼がこのデータをラグナ支部へ送ってきた理由は不明だが、少なくとも良い意味ではないだろう。
「こいつらの目的がわからん以上、下手に手出しはできんしな…」
そもそも、彼らの所在すらわからないのだ。接触することは難しいだろう。
アラドの呟きに同意するように、指令室に沈黙が落ちる。
「手出しなんてする必要はありません」
その沈黙を破ったのは、凛と澄み渡った声だった。
指令室の入口に立つ、見慣れない服を着た一人の女性。
裾に大輪の牡丹をあしらった朱色の着物に、白地に金糸で刺繍を施した帯を締め、肩口までの短い黒髪には銀細工で出来た羽の簪を挿している。
そして何よりも驚くべきは、その背を覆う黒い翼だ。
「初めまして、Δ小隊の皆さん。私はシロハ・タオ。どうぞお見知りおきを」
そうしてにこりと微笑んだ彼女に、敵意は全く感じられなかった。
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糸圭卯格(プロフ) - 「進まない」一部変更いたしました。 (2017年5月5日 12時) (
レス) id: 00eb5803e0 (このIDを非表示/違反報告)
糸圭卯格(プロフ) - 綺羅さん» 初めまして綺羅さん！このところ忙しくて中々更新ができない状況にあります(-_-;) 落ち着いたら順次更新する予定ですので お待ちいただければ幸いです 。 お待たせしてしまい申し訳ございません_(._.)_ (2017年5月4日 16時) (レス) id: 00eb5803e0 (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！頑張って下さい！ (2017年5月2日 19時) (レス) id: 36ff8fed08 (このIDを非表示/違反報告)
糸圭卯格(プロフ) - 「輸送機」修正します(；一_一)申し訳ありません… (2017年2月3日 20時) (レス) id: 11761a9c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸圭卯格 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/inkscope
作成日時：2017年1月23日 23時
