(kz story)...1

２-７ 【ＥＮＤ】 ページ9

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コツ、コツ、





階段を上る私の足音だけが響く








午後十一時




今日が終えるまで後、一時間…







キーッ





重厚そうなドアを開けて、ベッドへと向かう








ベッドの横について、ベッドで眠っている彼を見つめる








タスクさん…







机の上には結婚祝いの花束やらお祝いの手紙やら、たくさん置いてある









嗚呼、貴方は私の隣から消えてしまうのですね









それなら、それなら＿＿＿＿＿









私は意を決してナイフを持つ手を高く持ち上げた…









ギュッと目を瞑る









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強く握り締めていた手から、ナイフが滑り落ち、





床へと落ちた＿＿＿＿＿＿








ガンッ






鈍い音が聞こえる









できるわけ無いじゃない






私は、なんて愚かなことをしようとしていたの？






彼の笑顔を、
彼の命の炎を、









消せるわけ無いっ









目から、一つ、また一つ、雫がこぼれ、彼の白い頬に落ちた









カーン、カーン




嗚呼




カーン、カーン、カーン、カーン




私は、私は、





カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、





消えてしまうのですね…







カーンッ







午前零時を知らせる鐘の音が響き渡った＿＿＿＿







「さようなら、王子…」





言えるはずの無い声が枯れた喉から漏れた









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「ア、ヤ？」





王子の声に答える姫はもういない＿＿＿＿＿









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これは、すれ違ってしまう一人の王子と姫の物語(ストーリー









【END】

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