(kz story)...1

５-２ 【ＥＮＤ】 ページ17

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そして、七夕姫の時を思い出した。



嗚呼、私って砂原に恋してたんだなって。



でも、今の日常を壊したくなくて私はその気持ちを抑えたんだ。



私のわがままで砂原まで苦しい思いをしてしまったんだ。



それを思ったら、七夕姫の時とは違う思いが浮かんだ。





「私も待ってる。


砂原が、あっちで思う存分働いて、頑張って、そしたら私も言うことがあるから。



だから、待ってる。


砂原は一人じゃないよ。


今も、これからも。」




いつか、砂原が日本に帰ってきたら伝えよう。


この気持ちを。



今来てるのは、仕事なんだもの。


砂原は、ちょっと驚いていたけどやがて笑った。




「分かった。俺、頑張るから。


そして、いい報告をお前にしてやるよ。


一番にさ。」




そして、砂原は何か思いついたように話した。



「もしも、俺が星なら、お前は月だな。



月っていろいろな形があるだろ。


どれもさ、光ってるんだ。


例え太陽の力を借りようとも、いつか自分で光れる日まで頑張って努力している。



けど、報われない。


でもさ、それでいいこともあるんだ。


月は太陽と違っていつまでも見ていられる。


太陽は眩しくて見れないけど、月はいつまでも見れる。


お前も頑張ってるけど報われない時もある。


けど、努力をしたっていう結果は周りの人がちゃんと見てるから。」



少し黙ってたけど、やがて砂原は立ち上がった。


「俺、そろそろ行かなくちゃ。


仕事で日本に来てたんだけどさ


今は偶然お前を見つけたからお願いして、少し休憩を貰ってたんだ。」



私を見つけたから？



そう思うと胸の奥で何かジーンと来るものがあった。



砂原は行こうとしてたけど、振り返って私に言った。



「そういや、今日って新月なんだぜ。


月が見れない日。


お前が、月じゃなくてよかったよ。


俺はお前を見ていたいからさ。」



砂原はそういい残して去っていった。



また、会えるよね。


私達は離れても、月みたいに、星みたいに、見てるからね。









【END】

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