ニセモノを探せ*7 ページ8
「……A…Aっ」
名前を呼ばれ、瞼を少し開ける。
まだ掠れている視界に見えるのは……あれ、センラ？
てか、ここ、学校？…って
「うわっ！？」
さっきまでの状態を思い出し、思わず飛び起きた。
すぐ傍で私を起こしてくれたセンラは「うおっ」と変な声を上げていた。
上半身を起こした状態で、隣にしゃがみ込んでいるセンラの方を見る。
センラは驚いた顔をしていたがやがて「よう寝とったね」と柔らかく微笑んだ。
「皆は？」
「そこにおるよ。まだ起きてへんのは坂田だけやな」
目線の方向を見ると、横になっている人物とその周りに人物が2人いた。
きっと、横になっているのが坂田でしゃがんだり立っているのがうらたと志麻なんだろう。
ここは教室のようだ。
まだ知っている場所にいることが分かり、ホッとする。
けれど、周りを見て気づいた。
違和感がある。この空間。なにかが違う。
「気づいた？なんかここ、左右反対になってるんよ」
センラの言葉に頷く。
そうだ、違和感はこれだ。
いつもは教室の右側にあるはずのサイド黒板が左にある。
それどころじゃない、全てが左右反対になっている。
黒板に書いてある『日直』の文字もまるで鏡に映したように反対になっていて。
と、その時気づいた。
非現実的なのかもしれない。
これは夢なのかもしれない。
けれど、きっと、この世界は。
「鏡の中の、世界……」
「うわっ！！ここどこっ！？あれ皆はっ！？」
私が呟いた瞬間に坂田の驚いたような声がした。
「俺らはちゃんとここにいる。お前が一番起きるの遅かったんだからな」
「えっ、そうなん？」
上半身を起こして目を擦る坂田に呆れた口調で言ううらた。
私とセンラはそんな彼らの元へ近寄った。
丸く円になり、5人で中央を見る形で座った。
私はセンラと坂田の間に座っている。一人一人の顔を見た後、うらたが話し始めた。
こういう時仕切るのはうらただ。
5人の中でもいつの間にかリーダーポジションになっている。
異論はない。むしろありがたい。
そんなリーダーの真剣な顔に思わず唾をごくんっと飲む。
「たぶん皆も気づいてるとは思うんだけど、ここは鏡の世界だと思う」
うらたの言葉に皆が息をのんだ。
やっぱり、私の考えは合っていたようだ。決して嬉しくはないんだけど。
そしてうらたは一回目を伏せてから言うのを躊躇ってから口を開いた。
「それと、俺の傍の机に紙が置いてあったんだ。そこに書いてあったことが本当だとするなら、俺たちの中に“ニセモノ”が紛れているらしい」
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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