ニセモノを探せ*18 ページ19
「あ、来た来た」
職員室の奥にはソファやテーブルが設置されていて、センラはそこに腰かけていた。
きっと、来賓用のものなんだろう。こんなのがあるなんて知らなかった。
テーブルの上にはいくつかのカップラーメンが並べられていた。
どれも有名なものばかりで、懐かしさを感じる。
まぁ、もちろん左右反対になっているから違和感は残ってはいるが。
ゴゴゴゴ、とポットでお湯を沸かす音がしているな、と思ってみてみると近くの棚に電気ポットが設置されてた。
こんなところにあったのか、と見ているとセンラが心配そうな視線を私に向けているのに気付いた。
どうしたんだろう、と思ったけれど今自分は頭にタオルを巻いている状態なんだってことを思い出した。
「頭、ぶつけちゃってたん？」
やっぱり。
そう心で思いつつも、「たぶんね」と返す。
志麻も心配そうに私を見ているのが分かった。
優しい彼らには心配をかけたくなくて、笑顔を見せる。
普通に今はもう痛みが無くなりつつある、というのも理由の一つだけれど彼らも自分のこの状態が心配なんだからこれ以上迷惑はかけれないなと思ったのが大きな理由。
「でも今はもううらたにこうやって冷やすやつつけてもらったから平気だよ」
「大丈夫」と念を押すと、2人ともまだ心配そうな表情のまま頷いてくれた。
そういえばこの2人は私が倒れた時傍にいたはずだ。
記憶がない部分、何があったのか知っているのかな。
ある一定の時間の記憶だけ失っているっていうのは正直気味が悪いし怖い。
だから少しでも思い出したいのだ。
そう思って2人に聞こうとしたけれど、「はよ食べようや！」とキラキラと目を光らせる坂田によってタイミングを失ってしまった。
まぁいいか。これ以上私の話を続けるのも申し訳ないし。
「Aって確か塩ラーメンが好きやんな？」
頷くと「じゃあこれ？」とセンラから一つのカップラーメンを手渡された。
見ると、私が一番好きなカップラーメンで思わず「えっ」と言ってしまう。
「あ、もしかしてあんま好きやなかった？」
「あっ違う違う」
焦ったように言うセンラに慌てて顔の前で手を振った。
「逆ね、逆！私が一番好きなカップラーメンだったから驚いたの！」
「そうなん？なら良かったわ」
「うんうん、ありがとうね」
ホッとしたように笑うセンラ。
いつもは安心するその笑顔なのに、ビクッと体が震えたのを感じた。
(………やっぱ思い出せないんだよなあ)
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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