ニセモノを探せ*13 ページ14
「もしかして……センラ怖いの？」
「はっ！？」
奥で志麻が吹き出しているのが見えた。
だってもともと心霊系の噂が流れていた場所だし、私たちをこんな世界に連れてきた場所でもあるし怖がるのも仕方がない。
しかしセンラも怖いのか可愛いところもあるじゃん、と思いながらセンラを見る。
けれど当の本人は驚いたように目を丸くさせた後、ハッと我に返ったように口を開いた。
「いやなんでそうなったん！？別に怖くないんやけど」
「じゃあ、なんで東階段のとこ行きたくないの？」
センラのことだから行きたくないにしても理由があるはずだ。
そう思いながら聞いたけれど、センラは困ったように視線を下にして口を閉じる。
何も言おうとしないその様子に更に疑問が募った。
「なーんや、センラ怖いなら怖いって言えばええやんか」
その時志麻がセンラの肩に腕を乗せた。
茶化したように言う志麻に「志麻君までそうやって言うん！？」とセンラは焦ったように言う。
楽しそうに話す2人の様子を見て頭にもやがかかったような感じがした。
いや、2人の仲が良いのは前から知っていたしそこは特に不思議でも何でもない。
ただ、なんでセンラがそこまで東階段を拒むのかがわからなかった。
もしなにか理由があるなら普通に話していいはずだ。
それを言わないのは、なんでなのか。
その時、一つの予想が私の頭に浮かんだ。
それはセンラが、ニセモノだから……？
(いやいやいやいや)
ダメだ、状況も状況だしすぐにそんな風に予想が立ってしまう。
これじゃだめだ。誰のことも信じられなくなる。
けれど、可能性はゼロではないんだ。
少なからずこの中にニセモノがいる。それは事実なのだから。
(………やめよ、)
変に考えたら止まらなくなりそうで思考を止める。
センラだって本当に怖いのかもしれないし、なにか言えない理由があって私たちに言わないとしてもそこを変に探索する必要はない。
とりあえず、今は別の階段を使うか。
そう思ってチラッと東階段に目を向ける。
「え、」
思わず声が出た。
今なにかが東階段のところにいた気がする。
サッと動いた黒い影。あれは見間違えなんかじゃないはずだ。
一体、何が。もしかしてニセモノについて関係がある？
確かめに行かないと。
そう思って東階段の方へ駆け出す。
「Aっ！？」
驚いたような声の後、右腕が引っ張られたように感じる。
思わず振り向いたその時、頭がなにかに殴られたような衝撃がした。
ガンっと頭の中で反響する鈍い音。
痛い、そんなことを考える暇もなく意識が消えた。
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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