ニセモノを探せ*12 ページ13
「さっき窓の外見て暗い顔してたけどなんか気づいたん？」
廊下をプラプラと歩いていると、志麻からそう聞かれた。
私、そんな暗い顔してたのかな。全然表情に出てるつもり無かったけど。
さっき見た光景を思い出す。
「普通はこの時間家の明かりがついていても全然おかしくないじゃん？なのにどこもついてなかったの。街灯もついてなかった」
「へぇーそうなんか。確かに他の世界やと普通に電気ついてるもんな」
「そうそう」
センラの言葉に相槌を打った後に、ふと気づいた。
今私たちは当たり前のように学校の中を歩いている。
それはまるで学校の中しか行けない、と錯覚しているかのように。
「ねぇ、もしかしたら学校の外に出れたりしないのかな？」
きっと他の4人も学校の中しか歩きまわれないと思っているのだと思う。
うらただって、そうじゃなきゃ散策場所を学校の中だけに割り振ったりしないだろう。
彼はそういう可能性に気づきそうな人だから。
我ながらナイスアイデアだと思ったんだけど、意外と2人は反応していない。
「確かに」とは頷いていたけれど。
「でも出れても何するん？」
「うーん……でも家帰れたほうが安心しない？」
きっと家に帰ったとしても誰もいないんだろう。
けれど、帰れるのと帰れないのだったら帰れたほうがいいはずだ。
服だって着替えられるしちゃんと寝るためのベッドだってある。
ご飯だって困らない。
志麻は私の言葉に納得したように頷いた。
さっきはそうでもないのかと思ってびっくりしたけど、やっぱり誰だって家に帰れたほうがいいだろう。
「まぁ、そうやんな」
「1階と2階を散策してるうらたんと坂田が確認してるかもしれへんし、もししてなかったら後で皆で外に行ってみようか」
センラの言葉に頷いて大体散策し終わった4階から下に降りようか、と辺りを見回す。
ここから一番近い階段は東階段だ。
生徒の間で幽霊が出ると言われ、そしてさっき私たちがこんな世界に来る原因となったと思われるこの階段。
少し怖いけれど、早く降りれたほうがいいだろう、と東階段に向かおうとする私に2人はひどく驚いたようだ。
センラに手首を掴まれて少し驚く。
「待って、A。そこから降りるん？」
「うん、だって近いほうがよくない？」
立ち止まって向かい合ったけれど、センラは微妙な顔をしている。
なにかあったのだろうか。
と、考えたけれどふと1つの仮説が私の中で浮かんでニヤっとセンラを見た。
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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