永遠なんてものがあるのなら。【urt】

永遠なんて*2 ページ2

あれから彼女は不死身である事を主張し続けていたが俺も完全に信じてなく適当に受け流していたら諦めたらしく「もう…」と言い話題は別のものに変わった。

今日はエイプリルフールでもないし、彼女が嘘をついているという確証もないけれど。


(信じられるわけねぇじゃん、そんなの)


だから結局は子どもをあやすかのような態度に落ち着いているのだ。
どうせ俺を騙して楽しもうとしているんだろうな、なんて思いながら。



そして時は過ぎ、俺らは店に入り向かい合わせに座っていた。




「んー美味しい！めちゃめちゃふわふわ……」




幸せそうに笑いながらパンケーキを食べるA。
そんな様子を見ながら連れてきてよかったな、と思う。


俺もAも甘党で、スイーツは2人とも好きだからデートの時には大抵こうしてスイーツを食べている。

落ち着いたこの店の雰囲気もいいし、パンケーキも美味いしやっぱ当たりだなこの店。



俺も俺でパクパクと食べ進めていると、先ほどまで幸せそうに食べているAの食べる手が止まっている事に気づいた。





「……どうした？」


「え、なにが？」


「いや、あんま食べてないから」





美味しい美味しいと言っていたわりにパンケーキはあまり減っていない。
まぁ、ボリュームはあるから女子なら食べれないだろうなとは思うけどいつも 甘いものは別腹！ とぺろりと食べていた彼女らしくなくて。


Aはあまり進んでいないパンケーキに視線を落とし、「あー…」と呟き苦笑い。






「私最近甘いもの食べ過ぎて太ってきちゃってさ、少し抑えようかなって」


「へぇ…」






別に太ってるようには見えないけどな。
そう俺は思うけど女子は女子なりに気を遣っているのだろうから、そこは追求せずに頷く。





「だから、はい！残り食べて？」


「は、お前まじで言ってんの？」


「もちろん」




そう言って渡されたパンケーキは三分の二ほどまだ残っていて。

待って、俺まだ自分の分も食べ終わってねぇんだけど。


ブツブツ不満を言いながら、俺は目の前のパンケーキに手を伸ばした。

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