永遠なんて*3 ページ3
「きっつ……無理、ギブ」
「おっしいなぁ、あともう少しだったのに」
結局彼女の分は四分の一ほど残してしまった。
が、仕方ないだろ。
俺が食べきれずに残ってしまったパンケーキを名残惜しそうに見つめるAに、じゃあお前が食えよ と言おうとしたけれど言えずに終わった。
「美味しかったな〜」
「ほとんど食べて無いじゃん」
「いいの！私だって頑張って我慢したんだから」
やっぱ食べたかったんじゃん。
そう思って「ちょっとくらいいいんじゃねぇの？」と言った言葉は「そのちょっとが女子にとって天敵なんだから！」と一撃を喰らった。
………なんとも色々と大変そうだ。
また手を繋いで歩く2人。
夕日に照らされ、足元に2人の長い影が出来ているのを見ながら彼女の家までの道を歩いた。
「ねぇ」
ポツリ。
呟いたAの声は明らかに今までよりもトーンが下がっていて。
彼女の口から出る言葉に、少し身構える。
「永遠って、信じる？」
「永遠？」
不死身と言い出したり、永遠と言い出したり。
今日のAの話題は俺の心臓に悪い事ばかりだ、なんて思いながら彼女の言葉に うーん と考える。
答えが固まらずにいると、「私ね、」と彼女の方から話し出した。
「永遠ってものがあったらいいな、って思うの。そしたらこうしてうらたくんと一緒に歩くのも、ずっと出来るでしょう？」
「……まぁ、」
「“終わりの無いものには始まりもない”ってよく言うじゃない？確かにそうなんだろうけど、信じちゃうよね。この時がずーっと続けばいいのになぁって」
「…お前、何かあった？」
「…なーんも？でもまぁ私は不死身だから永遠なんだけどね！信じるも何もないかー！」
さっきのシリアスな空気はどこへやら。
いつものように明るい口調に戻ったA。
けれどその言葉がわざとらしい気がして。
ドキリ、と心臓が鳴った。
「………俺に隠してること、無い？」
「んー、無い！てか不死身なこと言っちゃったし、今の私は真っ白！隠してることも無くなったし純白！」
「本当かよ…」
元気に言うAだけど、俺の中のもやもやは晴れなくて。
むしろ、余計に靄が深まったような気もする。
そんな俺を嘲笑うかのように遠くでカラスの鳴き声が聞こえた。
(なんか、悪い予感がする)
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菊香(プロフ) - はるさん» 返信遅くなり申し訳ありません(；；)わわ、そうなんですか！もう一度見つけてくださりありがとうございます〜！とても嬉しいです* (2019年11月15日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 瑞稀さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません(；；)嬉しいお言葉ありがとうございます〜！* (2019年11月15日 5時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
はる - 菊香さん» やっとこの作品見つけました！前に読んで感動してコメントしようとしたら、履歴とか全部消しちゃってこの作品見れなくなったんですよね...。でも、約１年がたった今やっと見つけられました！本当に見つけた時は嬉しかったです！また読んで感動しました゜・(つД｀)・゜ (2019年10月15日 20時) (レス) id: 9386fcb447 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - 途中から彼女さん病気なのかな…って思ったらやっぱり病気で。まさかうらたさんの方が永遠の命なのにはびっくりしました。ラストシーンは泣きました。最後のセリフは本当にぐっときました。 (2018年11月15日 0時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 蝶遊さん» ひぇ…ありがとうございます〜！！嬉しい限りです(^^)これからもマイペースに頑張ります！コメントありがとうございました* (2018年11月9日 21時) (レス) id: 7947e41304 (このIDを非表示/違反報告)
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