昔、隣の席だった君。【skt】 (ページ38)

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となり*38 ページ38

そして、迎えたAtRのライブ当日。

15時に駅前で待ち合わせということだったけれど、家にいてもそわそわとしてしまうだけだから少し早めに出る事にした。
着いたのはこの間と同じく30分前。

駅前に、さかたんの姿は無い。
きっと前回が珍しかっただけだろう。

近くのベンチに腰を下ろし、今日のライブについてもう一度ツイッターからチェックする。

…あれ？
今日のライブ、19時からって書いてる…。
絶対15時ってさすがに早い気がする。

ここからライブ会場って結構近いはず。

時間間違えたとか？

頭にハテナマークがたくさん浮かぶ中、ボーっとしていると目の前に人影が出来た。

「ごめん！遅れた！」

そう言って頭を下げながら両手を合わせているさかたん。
少し、息が切れていて走ってきたんだなということがわかった。

「ううん、全然。」

そう言いながら、時計を見る。
15時10分…10分遅れなら私的にそんな遅いと思わないし遅刻常習犯らしい彼なら早いほうだろう。
前回は例外として。

「じゃ、行こっか。」

そう言って歩き出すのを見て、慌てて聞く。

「ライブの時間まで全然余裕じゃない？むしろ早すぎるんじゃ…」

私の言葉に目をぱちくりさせ、そして「あぁ」と納得したように頷いた。

「瀬川さんにはまだ言ってなかったか。
AtRの2人から、ライブ前に顔見せに来てって言われてるんよ。」

そっか、なら早いのも当然か…って。

「え!?それ、私も同行するの!?」

さかたんは「もちろん」と頷く。

「というか、向こうから瀬川さんに会ってみたいって言うて来たから。」

はっ!?
うらたんの時といい、さかたん私のことを他の人に言いすぎなのでは…。

疑問はあるけれど、ライブ前のAtRに会えるなんてほとんど無い。
いや、絶対無いだろう。
このチャンス、逃すわけにはいかない!!

「私も是非会いたい!!」

さかたんは私の言葉に微笑む。
けれど、その微笑みはいつもと同じようには見えなかった。