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となり*18 ページ18

いよいよ、私も幻想が見えてしまったのかな。
そう、納得させようとする。

けれど、いきなり言葉の止まった私の視線の先を辿ったなぎさが あっ と呟いた。


「A、良かったやん。
あいつ、来たみたいだね。」

なぎさが楽しそうに、いや 面白そうに笑みを浮かべる。


「……ねぇ、なぎさ。」

震える声で、呼ぶと ん? と不思議そうに私を見るなぎさ。


「…あの人、名前なんて言ったっけ。」

私の言葉になぎさは瞬きを繰り返して、あはは と笑う。


「何?忘れたん?」

なぎさがそう言った瞬間、あの人と目が合った。
向こうも目を見開いて、私を見つめる。


……知ってる。この状況先月にもあった。
私は、あの瞳に見つめられたのだ。


「坂田やよ!Aと中学最後の隣の席だった!」

笑いながら言うなぎさ。


「…………さか、た。」


ほぼ、私の予想が当たっているのは間違いないだろう。

いや、まさか。信じられない。
どこの夢小説なのだろうか。こんな偶然、あり得ない。

しかし、それがあり得るのだ。今実際、目の前に起きている。


けれど、やっぱり納得できなくて。
いや、あんなにも好きな人が中学の同級生だったと気づかなかった自分に納得がいかなくて。



心の中で葛藤していると、友人達がざわざわし始める。
当たり前だろう。話の途中で固まったのだから。

友人達の方をふと見ると、ニコニコ…いやニヤニヤとしていて。
あぁ、間違いなく私があの人のことが好きだと思われている。

否定しようにも、どう返せばいいのか分からない。

友人達のニヤニヤがヒートアップし、きゃあ と女子らしい悲鳴があがった。
一体何があったのだろう。

あの人の方をもう一度見る。
そしたら、離れていたはずのあの人が目の前にいて。


「ごめん、ちょっと借りてくわ。」

そう言って、私の手首を掴んで歩き出したこの人は。

間違いない。その声はよく知っている。



今、私を引っ張っている目の前の彼は、歌い手 となりの坂田で間違いないだろう。

となり*19→←となり*17



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菊香(プロフ) - サラさん» ありがとうございます!早速お邪魔しますね(^^) (2018年2月1日 20時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 菊香さん» 大丈夫ですよ!お待ちしております! (2018年2月1日 7時) (レス) id: 26a9623291 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - サラさん» まじですか!!ボード行っても大丈夫でしょうか? (2018年1月31日 11時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - うしさせの春ツ北海道参戦します! (2018年1月31日 5時) (レス) id: 26a9623291 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - ちーちゃんさん» ぴゃああああ(( (2018年1月30日 23時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菊香 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年11月16日 23時

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