転生した 苺の王子は 鬼殺隊 5

弐佰 参 話 ページ15

るぅとside




炭治郎「鬼は人間だったんだから、俺と同じ人間だったんだから…足をどけてください。
醜い化け物なんかじゃない、鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ」

義勇「……」





炭治郎の言い返しに対して、冨岡さんも怒りの表情を見せた

本当に大丈夫ですか？これ…
今にも喧嘩勃発しそうな勢いですけど？





ころん「悔しいけどさ…僕じゃ義勇を救えない」

るぅと「え…？」

ころん「錆兎と真菰…大切な2人を失ったのは、僕も同じだから、きっと義勇は気をつかう…と思う」





そう言って、青い髪から覗かせた顔は、どこか寂しげで…辛そうに笑っていた





ころん「だからさ、何も知らない炭治郎が…義勇から目を離さずに話してるのが…なんか嬉しいんだよね。あはは、変だね」

るぅと「…変なんかじゃないですよ」





僕が本心で言った言葉に、「ホントにー？」と返してくる ころちゃん の顔は、もういつもの笑顔を取り戻していた





…ころちゃんが2人を止めにいかない理由、少し分かった気がした

たぶん…ころちゃんは、2人に会って話してほしかったんだ

内容なんかはどうでもよくて…
ただ、自分が一緒に育ってきた2人を、会わせたかったんだと思う





ころん「でも、あれはさすがに止めないとね」

るぅと「あ、はいっ」





と、僕たちが立ち上がった時だった





キュイン！！…





刀がまじりあった音が辺りに響いた
音がした方を見ると、蝶の羽織と髪飾りをした隊士がいた





しのぶ「あら？どうして邪魔するんです？冨岡さん」

冨岡「…」

しのぶ「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに、何なんでしょうか。そんなだから、みんなに嫌われるんですよ」





そう、蟲柱・胡蝶しのぶさん





るぅと「禰豆子ちゃんは!?」

ころん「大丈夫、義勇が守ったみたい」





しのぶさんが刃をふるった理由は一つ。
鬼の禰豆子ちゃんを狙ったからだ

ころちゃんの方に来なかったってことは、まだ僕たちが居ることに気がついてない





るぅと「ころちゃん、逃げてください」

ころん「え、でも…」

るぅと「半鬼でも狙われるかもしれません。気づかれる前に早く」

ころん「……」

るぅと「冨岡さんには僕が加勢しますから」

ころん「……分かった」





ころちゃんも禰豆子ちゃんが心配だったようだけど…
胡蝶さんの前に出ても、標的にされるだけだと分かってたみたい

ころちゃんが林の奥に走っていくのを見送って、僕は冨岡さんの方へと向かった

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