転生した 苺の王子は 鬼殺隊 5

弐佰 肆 話 ページ16

るぅとside





しのぶ「さぁ冨岡さん、どいてくださいね」

義勇「俺は嫌われていない」


炭治郎「！」

しのぶ「…」





……どうしよう
出ていこうとしてたけど、出にくい…





しのぶ「あぁそれ…すみません。嫌われている自覚が無かったんですね。余計なことを言ってしまって申し訳ないです」


義勇「…」





炭治郎は気まずそうにしてるけど





しのぶ「先程から、何覗き見してるんですか？バレバレですよ、るぅとくん」


るぅと「…！」





まさかバレていたとは…

僕は大人しく、木の影から姿を表した
冨岡さんも気づいていたらしく、驚いた顔をしたのは炭治郎だけだった





炭治郎「るぅと！無事だったのか、良かった」



るぅと「…いつから気づいてました？」

しのぶ「はじめから…ついでに言うと、半分鬼の気配をした男の子を逃がすところからです」

るぅと「ゔぅ…」





ほぼ始めからじゃん!!
…しかも、ころちゃんが半鬼だと見抜かれてる

まって、…じゃあ何でころちゃんを追わないの？
気づいてたなら、すぐに捕まえたらいいのに





しのぶ「さて、坊や」

炭治郎「は、はいっ！」

しのぶ「坊やが庇っているのは鬼ですよ？危ないですから、離れてください」

炭治郎「ちっ…!!違います！いや、違わないけど…あのっ!!妹なんです！俺の妹で…それで！」

しのぶ「まぁ…そうなのですか、可哀想に。では
──…苦しまないよう、優しい毒で殺してあげましょうね」

炭治郎「！……」





ああ、やっぱりそうなるんですね
胡蝶さん相手に、何を言っても無駄でしょうけど…





るぅと「胡蝶さん、この子は2年間、鬼でありながら人を喰っていません。危険はないと思われますが…」

しのぶ「まぁ、それは凄い！しかし、これから人を喰わないという保証はありませんね」

るぅと「…」





やっぱり、ダメ…ですよね





義勇「動けるか」

炭治郎「!!」

義勇「動けなくても、根性で動け。妹を連れて逃げろ」

炭治郎「!!……冨岡さん…」


るぅと「炭治郎、行ってください。胡蝶さん相手に交渉は無理です」

炭治郎「るぅと……すいません！ありがとうございます!!」





炭治郎は、禰豆子ちゃんを抱えて走り去った

この時、僕は気づかなかった
炭治郎が向かった方向は、ころちゃんが向かったのと同じだということに





しのぶ「これ、隊律違反なのでは？」

義勇「…」

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