転生した 苺の王子は 鬼殺隊 5

弍佰 壱 話 ページ13

ころんside





鬼は完全に灰になった
炭治郎に撫でられながら…

最後のあの鬼からは、抱えきれないほどの悲しみが感じられた

あの世で…両親には会えたかな？
さっきの鬼を見て、なーくんが鬼に同情する気持ち、少しは分かった気がするよ





と、その時だった
林の中に横たわっている、るぅとくん を見つけたのは…





ころん「………るぅとくん？」





慌てて駆け寄り、抱き起こした





ころん「るぅとくん！！るぅとくん！！」





眠ってる？
気絶してるだけ？
それとも、もう…手遅れ？

脈を測ろうとしてるのに、自分の心臓の音がうるさい




ドクンッ…




そうだ…これ、るぅとくんの心音じゃない
僕のだ





ころん「っ……」





ドクンッ、ドクンッ



大きな心音と共に、体も大きく波打った
内からものすごい圧を感じて、慌てて胸を抑え込む



ダメなやつだ、これ…
前と同じ感覚がする…やばいッ





ころん「グッ……ゥぅ……っ…」





僕、鬼になりかけてるんだ
気が動転して、終ノ型の呼吸を止めたから…？


やばい…抑えろ！抑えろ！
このままじゃ…るぅとくんを喰っちゃうっ…





るぅと「…んっ…………あれ…僕……？」


ころん「るぅとくん！！……っ…」


るぅと「……ころ…ちゃん？」





よかった…生きてた
…でも、この状況は非常にまずい

るぅとくんに、離れてもらうか、殺してもらうかしないと…
ダメなら、義勇に…早くっ





るぅと「…ころちゃん!?どうしたんですか!?」

ころん「ごめっ……今は……グッ…」

るぅと「もしかして…また鬼に…？」





るぅとくんは起き上がり、僕を優しく抱き包んだ





ころん「！！…っ…ダメ！離れて!!」

るぅと「大丈夫ですよ…僕は大丈夫ですから…」

ころん「っ……」





そうだ、落ち着け…
るぅとくんは生きてるだろ？

そう自分に言い聞かせ、何とか呼吸を落ち着かせようとする





るぅと「落ち着いて…僕と一緒に呼吸してくださいね」

ころん「っ…ハァ……ハァ……」





るぅとくんが、背中を優しく叩いてくれて、何も考えずにその通りに呼吸する
すると、しだいに落ち着いてきたのが自分でも分かった


出ていたはずの角も、いつの間にか無くなっている
鬼になった感覚はない
前の「半鬼」の状態に戻った…？





ころん「……もう、大丈夫…ありがとう」

るぅと「はぁ…よかったぁ」





るぅとくんは、僕の言葉を聞いて、緊張が解けたらしく、その場にへたれこんだ

弍佰 弍 話→←弍佰 話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す