エピローグ ページ31
鏡を抜けた先は、薄暗いところだった。
シルバー「……懐かしいな」
A「えぇ…帰ってきましたね…」
ゆっくりと歩みを進める。卒業してしまったという悲しみからか、会話は一切されなかった。ただ、黙々と道を歩いていた。
シルバー「あ…」
城が、先に見える。そこは…前にマレウスとリリアが話していた場所。茨の谷の王族が住む場所だと、言っていた。
A「………！！」
門の前で、立っている者を見つめAは思わず走り出した。後からシルバーも続く。
A「………リリア…っ！！」
目に涙を浮かべ、抱きつくA。
リリア「おっと…勢いがありすぎるぞ、A」
マレウス「ひどいではないか。僕の事は無視かい？」
言い方は軽いが、マレウスは若干涙目になっている。
シルバー「マレウス様…親父殿…っ！」
リリア達が卒業してからはA達も忙しくなったため、会う事が出来なかった。1年ぶりくらいだろうか。シルバーも追いつくなり、涙目になっていた。
マレウス「……久しぶりだな、A。シルバー」
そう言ってAの方を振り向くと、まだ抱き合っているままだった。
マレウス「2人はしばらくそっとしておいた方がいいな……」
シルバー「ですね…」
幸せそうな2人を見て、マレウスとシルバーは嬉しそうに微笑んだ。
たとえ、前世では分かり合えなかったとしても。
今は…絶対、愛し合える。
物語は、『本当』の愛へと導き…『永遠』の幸せを手にして…『終わり』を迎える事になる。
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作者名：Fの小説 | 作成日時：2021年4月9日 21時
