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こんな私でよかったら▽Another ページ19

前作の『こんな私でよかったら』の光くん視点のお話。










*




出会ったのは大学に入ってから。

ちっこくて童顔な大ちゃんとは専攻が被って仲良くなって、一緒に授業受けたり食堂に行ったりしてたわけだけど、そんな大ちゃんには高校からの友人が理工の建築学科にいるみたいで。


それが、いのちゃん。


悪気なくテキトーなことを言いまくるいのちゃんとは、次元の違うところ同士で会話してるみたいな感じで最初はイライラもしたけど…
テキトーばっかり言ってるわけじゃなくて、むしろ根は真面目だし責任感もある。
見た目からは想像できないアクティブさもあったり、結構頑固だったり。


不思議な魅力に気付いた俺は、すぐにいのちゃんに惹かれていった。


いのちゃんと仲良くなればなるほど「2人は正反対だね」って言われた。

俺もいのちゃんもそんな自覚があったけど、全く嫌じゃなかった。
それに、正反対だからこそ、俺にないものを持ってるいのちゃんをより好きになった。



いのちゃんもそうなのかなって、思わなかったわけじゃない。

何かを言いたそうにして、やっぱりやめてへらっと笑う姿とか、公園で寄り道してる時のそわそわしてる姿とか。

でもさ、



「大ちゃん〜これ半分こしよぉ?」


「大ちゃん大ちゃん〜!」



…こんな風に大ちゃんに構ってほしくてすり寄る姿とか、心を許してるんだろうなっていう顔とかを見せられてみたら自信なんてなくなる。


大ちゃんならなんでも許してくれると思ってる、その信頼感。
もちろん俺ともふざけてくれるけど、大ちゃんと一緒の時はまた雰囲気が違っていて。


2人がぴったり肩をくっつけて歩いてる姿なんて、大学の女子たちに「カップル」だって言われてんだからな。



普段はそんなにベタベタしてるわけじゃないけど、いのちゃんは薮ともソリが合うみたいで。

お互いに対してあたりが強いくせに、何だかんだ仲が良い。
…この2人を出会わせたのは間違いだったと思うくらいには。



「薮ぅ、こないだの日本建築史さぁ、時代背景がよくわかんなくて」

「ん?あー、あれか。あれは…」



5人の中ではトップで頭がいい…というか地頭が良くて一般的な常識がある2人。
特進からここに来た2人には、やっぱり俺には踏み込めない雰囲気があって。



「ふぅん、そーゆうことかぁ…」

「空きコマ、図書館付き合おうか?」

「え、まじ?いいの?ありがと薮ぅ」



ほら、その、頼りにしてる感。

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作者名:みつあめ | 作成日時:2020年11月29日 0時

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