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無言で髪を梳かしはじめた私に、慧はさっきより不安げに様子を伺ってくる。
「…ひかるぅ?」
「……」
「うぅ〜ごめんねぇ?ひかるがつけてたのいい匂いしたからぁ、、あたしもつけたくなったのぉ、、」
「……」
「今度からきをつけるからぁぁ…」
勝手に後ろから抱きついて、顔を押し付けながら甘えるように…う゛っかわいっ…!既に許しそう
待て待て、これは作戦?いや、慧は結構天然でこういうことをしてくるから侮れないわけで…
悶々と考えてると、ずっと無視されっぱなしの慧はついに限界(といってもまだ1分くらいしか経ってないけど)が来たみたいで。
「ひかるぅ、無視しないでぇ〜っ…」
本気の嘆きと、
「…うぅ、、ゴメンナサイ…」
本気の謝罪と、
「あたしひかるがいないと生きていけないよぉぉ…」
泣きそうな言葉。
不意に、ずきゅんときた。だめだ。
ゾッコンってこういうことなのかも。
「…慧。」
「はっ!ひかる、ひかるごめんねっ何でもするからゆるして!?お願いだからすてないで!!夕飯もつくって!!」
…注文が多い気がするけど。
「…もうおこってないってば。ウチこそごめん、ちょっと気が立ってただけ」
「ほ、ほんとぉ?」
「うん。ほら、慧も準備しないとマズイよ?」
まだ化粧水しかしてない慧の肌に触れる。
ごめんねの気持ちを込めてほっぺにキスをすれば、そのあとすぐにタコみたいに口を尖らせた慧から唇を奪われた。
「んっ、、んぅ、」
「んはっ…ひかる…」
「もっ…だから、いきなりはやめなさいって!!」
「あぅぅ、ご、ごめっ……だってひかるが可愛いことするからじゃんっ」
狼狽えたと思ったら開き直ったな?
もう、埒があかないからやめにしよう。
「わかったから、支度!遅刻しても知らないよ?」
「はぁい。…あ、ひかる?」
「なぁに?」
「仲直りのちゅうしよっ♡」
「は、はぁ!?」
またこの子は!!
楽しそうにしてると思えば何を言い出すの!?
もう…
「…勝手にすればっ…」
「じゃあ勝手にしちゃうっ」
いうが早いか唇を奪われて、これじゃいきなりされるのと変わらないような気がする。
ごめんね?と口元で囁かれて、ふわふわ触れるマシュマロみたいな慧の唇。
ほんとにずるい、私怒ってたのに。そんなのどうでも良くなっちゃう。
魅惑の唇に、何でも許してしまうのはいかがなものかと思うけど…
もうとっくに虜だから、仕方ないのかな。
*Fin
こんな私でよかったら▽Another→←マシュマロリップで虜になって inhk(百合)
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作者名:みつあめ | 作成日時:2020年11月29日 0時