鬼殺隊の最強戦力はまさかまさかの最年少！≪参≫

魘夢 ページ25

「禰豆子、A！こっちだ！」

『わかってる！』


そう言って車両の繋ぎ目のところまでやって来る。


『なに、この、禍々しい、気配っ！』

「こんな中で眠っていたのか…」

『ありえない、なんで気づかなかったんだろう…』


この間の下弦の伍に比べて大分強い匂いと音。

下弦の壱だろうか。

柱3人分の気配はないから、きっとそうだろう。


『禰豆子は、善逸と伊之助、杏寿郎を起こしてきて。

私と炭治郎で、先頭車両に行く。』


多分、上にいるのは本体ではない。
だけどまずは、気づかないふりをしておくほうが、柱ということを隠せるだろう。
すぐに乗客たちを喰う感じはしないから、問題はないはず。

コクッとうなずくのを確認して、炭治郎に先に向かわせる。


「あれぇ起きたの？おはよう」



あいつだ。

きれいな夢を見せるふりをして。

素敵な夢を見せるふりをして。

もう二度と、戻ることがない幸せを作り上げて。

二回も、お別れする苦しみを味わわせて。



「なんでかなぁ」

「せっかく、いい夢を見せてやっていたでしょう。
お前たちの家族みんな惨殺する夢を見せることもできたんだよ？
そっちのほうがよかったかな？いやでしょ？つらいもんね。」


何を言ってるの、この鬼は。
意味がわかんない。


「じゃあ、今度は父親が生き返った夢を見せてやろうか」


お父さんに会いたくないのかといわれたら、そんなわけはない。
ほとんどお父さんの記憶がないんだから、会いたいとは思う。

だけど。

見せてやっていた？ふざけないでほしい。


＿＿＿嗚呼、だめ。だめだよ。私は柱なの、感情のままに攻撃なんかしてたらいけない。








目の前で炭治郎が駆け出すのを見て、後を追わずにはいられなかった。









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