鬼殺隊の最強戦力はまさかまさかの最年少！≪参≫

→ ページ16

どんなに叫んでも、喚いても、









もう、戻ってくることはないから。









隣にいた兄の手をとって、雪の中を駆けていく。









「お兄ちゃん、A！！」








「置いて行かないで！！」









年子で、私より先に生まれて、1歳年上だった、六太お兄ちゃん。









ドンっと転ぶ音がする。









でも足は、止められなかった。









足元の雪を、私とお兄ちゃんの涙が濡らす。









ごめん、ごめんね、六太お兄ちゃん。






茂お兄ちゃん






花子お姉ちゃん






竹雄お兄ちゃん






お母さん






禰豆子お姉ちゃん






もう、一緒には、こうやって一緒には、暮らせないんだ






あの日、守れなかったから。






ごめんなさい






だけど、だけどね。






お兄ちゃんもきっとそうだけど






私たちは、みんなのこと、絶対に忘れないから






ずっとずっと、想っているから






たくさん、遊んでくれてありがとう。






叱ってくれてありがとう。






私のことを生んでくれてありがとう、私の兄や姉でいてくれてありがとう。






たくさん、ありがとうって思う。






喧嘩してごめんね。






いたずらしてごめんね。






いうこと聞かなくてごめんね。






あの日、助けられなくて、ごめんね。






私だけ逃げて、みんなに痛い思いや苦しい思いをさせてごめんね。






たくさん、ごめんねって思う。









みんなのことを忘れたりなんかしないよ。






いつも、心は傍にいるから。






みんなと一緒にいるから。






だから。






どうか、こんな私のことを






許してください。









⋅

精神の核→←→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す