【小説】貴方が悪魔として生きる日々。【募集企画】

嫌な予感 ページ26

ヨタくんがもたれがかって寝ている間
俺は前に地上に行ったことを思い出してみた


「ねえ……メアリちゃん……質問良いかな？」

「なに？」

「君たちが貰った薬ってどんなものだった？」


俺が質問した瞬間メアリちゃんの表情が険しくなった気がする
少しの間が開きメアリちゃんがしゃべる


「水だと思ったら机に置いたら丸になったの」

「どういうことだ？」

「瓶に入っていたから水なのかなって思ったんだけど
机の上に置いたら丸くなってぷにぷにした感じの物になったの」


心当たりがある。確証はなかったのだが
俺は多分この中で一番地上に行ってるから分かったのかもしれない
偶然にも前に行った時に聞いたことがあった


「険しい顔ですよテルヴァイトさま」

「ごめん……ルイース……
俺の中の嫌な予感が的中しそうで怖いんだ」

「いやな予感って何ですか〜」

「実は二年前……地上でいうと二週間前かな？
偶然聞いたんだ……噂みたいな感じでね
悪魔の能力を人間に植え付けて兵器にするっていうことをね」


皆――特に悪魔たち――が顔をしかめる
当たり前だ自分たちの固有能力を奪われて
人間に植え付けられてるからだ


「じゃあメアリとヨタはその実験に――」

「親が金に目が眩み渡したか、連れ去られた……
もしくは……孤児でそれが見つかり誘惑してやらしたか……
いずれにしろ……この子たちは失敗か
あるいは成功して変色とかしたか……」

「でも〜能力を発動させてないあたりを見て失敗だと思いますよ〜」

「うん……でももしこっちに……
その実験をしているやつらがいたら……」

「私たちの能力が奪われかねないってわけか……」


こくりとうなずく。その場合が一番厄介で一番危険だ
まあ無いと思うがサタンの能力が奪われたら一番ヤバい
少し出しゃばりすぎたなと思い顔を下げる


「ん〜そいつらを排除の話が出たら面白そうだけどね〜」

「シャーネ？」

「私ね今…とっっっても機嫌がいいんですよ〜
能力が多分これまでにないほどいい感じになりそうで〜」


そ れ は 怖 い な。そう思い顔を青くする
でもその時は人を……俺には無理だ、ハッキリ言って
そういえば――


「サタンの任務あった……」

「そういえばテルヴァイト様……煉獄列車に乗ろうとしてましたしね」

「……どうしよう」

「そういえば〜ルシアって
今どうなっているのかな〜なんて思ったりしてるよ〜」


嫌な予感が当たっては欲しくないけどな
そう考えよ他の髪を少し不安げに撫でた

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