【小説】貴方が悪魔として生きる日々。【募集企画】

消去 ページ21

【SIDE:ルイース=プザ=リミリタス】


突然ですが、帰ってもいいですか？


…あ、睨まないで下さい、蹴んないで下さい御願いだから、サタン様、エンマ様、御願い。

そう目線で訴えるとルイは「じゃあしゃんとしろ」とでもいいたげにもう一度睨むと足をしまった。

…そんなこと言われても、どうしろというのだ？

反時計周りに私、メアリと抱っこされてる弟、テルヴァイト様、アールグレイ様、ヴォルテゴート様、そしてルイ。

私の前には堕天使とある意味最上級悪魔二人視界に入る。きつい。圧が…圧が…。

というかヴォルテゴート様の後ろに人間が転がっているが大丈夫なの？あれ死んでない？


「え〜っと…先ずはメアリと弟君の処遇に付いてだけど…」

「え、私達なんか罰とが受けなきゃいけないの？」


重たい口を開いたテルヴァイト様に対してメアリは驚いた様に聞く。


「君達が、じゃなくて…」

「私達が受けるんだよ」


テルヴァイト様の発言を遮る様にヴォルテゴート様がそういい放った。


「え、アンタ達が…？」

「そうだ。【保護した場合、2500年以下の懲役】が執行される」

「2500年以下の懲役！？長くない！？」

「人間で言うところ25年だがな」

「人間を二人も保護するんだもの。 "消去" 処分もあり得るね〜」


アールグレイ様が会話に混ざり、そういうとメアリは「"消去" 処分…って何？」と怪訝そうな顔で言った。



＿悪魔に、「死」は存在しない。

＿人間が見たら「致命傷」に見える傷も、私達からすれば病院に行けば治る傷。

＿それ故の、"消去" 処分。

＿それは悪魔の国、インフェロスにて一番重い刑罰。

＿簡単に言うと、存在を無かった事にされる。

＿輪廻転生もしないし、"消去"された後は誰の記憶にも残らない。

＿"消去"が意味する事は、"生まれなかった事にされる"という事。

＿人間にもわかりやすく言うと…


「死.刑だ」

「死…刑……」


暗黒女帝の容赦無い発言にメアリは今の状況を漸く重く捉えたのか顔面蒼白で俯いた。弟を抱く手は強く、震えている。


「大丈夫、要するにバレなきゃいい話だ。煉獄列車はもう修繕済みなんだろう？後は乗せて人間界に返すだけ。簡単な話だ」

「そうだね、仮装もしてるしテルヴァイト様とヴォルテゴート様の魔力があれば難なく帰れると思うよ。よかったね」


ルイの発言に同調し、真顔でメアリに同意を求めるとメアリは「そう…ね」と若干俯きつつ、苦しそうに嘲笑していた。

与太→←懐かしさの違い

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