【小説】貴方が悪魔として生きる日々。【募集企画】 (ページ22)

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与太ページ22

【SIDE:ルイース=プザ=リミリタス】

「僕は…僕は、帰りたくない」

か細い声がこの空間で木霊した。

「ヨタ…」

ヨタ、そうメアリに呼ばれた少年は光の灯らない瞳をこちらに向けるとはっきりした口調で喋り出した。

「この世界に留まり続ければ、僕は姉ちゃんの介護無しで自由に歩き回れる。生活費を稼がなきゃいけない姉さんの助けになれるんだ！」

「ヨタ…聞いて…」

「父さんはお金も稼がず、ずっと家にいるし。姉ちゃんだって新しい服も買えずにボロボロの状態。僕は"あの日"薬品に触れてから足は無くなるし髪は変色してスラムでは悪魔扱いだ！もうあんな日々に姉ちゃんも帰りたくないでしょ！？」

メアリの静止を無視してヨタは喋り続ける。

「この仮装はお姉さん達が作ってくれて人間だってバレないんでしょ？だったら僕ら、ずっとここにいればいいんだ…！」

昔、本に書いてあった。

人間の子供は鏡だと思え。

鏡は全てを正直に伝える。それがどれだけ強烈に残酷で、理不尽でも。

嗚呼、なんと愚かで純粋なのだろう。

彼は大好きな姉を守る為に恩人である"お姉さん達"の魂を売ろうとしている。

人間の絆に感動したと同時に、

やはり私達と彼らは相寄れない事を痛感した。
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これから更新します、しました連絡を小説のコメ欄で行う事とします。皆様にご迷惑をお掛けします事、誠に申し訳ございません…:(
役に立たない管理人ではありますが、これからも宜しくお願いします。

あと、「貴方が悪魔として生きる日々」の参考資料集を作りました。サタンの描写もあるので是非見てください。

http://img.u.nosv.org/item/Rain3604/1590909284

余談: ヨタっていうのは与太(愚かで役に立たない)から取っています。