やすとすばるの物語�� ページ28
俺はバイトの休みの日にすばると約束をした。
ギターを持ち、彼との約束の場所に急いだ。
「遅いよ。」
「ごめん、ごめん。」
「俺、めっちゃ楽しみにしてたねん。」
「そう·····なん？」
「当たり前やん。」
「何か恥ずかしいな。」
「聞かせてくれるんやろ。」
「うん。」
俺はギターを取りだし、彼の隣に座った。
彼に聞いてもらうのに、さんざん悩んだあげく俺が選んだのは、(それぞれ、想像してみてください。)だった。
俺が歌ってる間、目を閉じそっと聞いている彼。
俺の歌はどう聞こえているんだろうか。
「優しいな。」
曲を聞き終わった後の彼の第一声がこの言葉だった。
「俺が思った通りだったよ。」
「え？どんな？」
「おまえの表情のとおりだった。」
「表情？」
「かもしだしているもの。」
「かもしだす？」
「おまえの歌が優しさをかもし出していたんだよ。」
「そうかなぁ。」
「俺には、この優しさは出せないな。」
「喜んでいいの？」
「あたりまえやん。
これはお前が持っている物で俺には無い物や。」
「じゃあ、二人揃ったら凄いことになるね。」
「そんな事があったん？」
「うん。」
「男が持ってる強さを持った人と、男にしか出せない優しさを持った人が出会ったんだ。」
「自分の持ってないものにお互いがすごく
興味あってね。
でね、そこから話が盛り上がって、今度彼が書いた詞に曲をつけてくれって話になって。」
「そこまで進むんだ。
もしかして、その曲って。」
「そうだよ、
例のあの曲なんだ。」
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作者名：niko | 作成日時：2020年2月12日 21時
