青いタイダイ屋さん (ページ16)

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彼の優しさと彼女の優しさ7 ページ16

俺は何で彼女にこんな話をしてしまったんだろうか？

プリンを食べたら、ちょっと体が冷えた。

と、同時に頭も冷えた。

我に帰った。

俺、やっちまった。

自己嫌悪。(泣)

あの日彼に言われた事も頭をぐるぐるする。

「ごめん。お前とはもう一緒に出来ない。」

「え？なんでなん。
俺、なんかした？気にさわる事、した？」

「そんなんじゃないんだ。」

「なら、なんで？」

「だから、ごめんって。」

ずっと一緒にやろうって言ったのは、あれは
嘘やったん？

「また、考え事してるでしょう。」

まずい、また、見抜かされてる。

「そう言えばあなたの携帯、預かってました。はい、どうぞ。」

渡された携帯を見ると、ものすごい数の着信が。

それは全て一人の名前で占められていた。

大倉忠義·····。

俺の事務所の後輩で、俺のことを頼りにしてくれている。

時間を作っては、遊びに来てくれる。

可愛い後輩。

それ以上でも、それ以下でも無いと思っていた。

「電話してあげたら、どうですか？
きっと心配してますよ。」

「事務所の後輩なんです。
また、電話しときます。」

「今、してあげてください！」

「え？」

「こんなに着信、入ってるじゃないですか。

電話をかけて来るってことは、何か用があるのか、凄く心配してる時です！」

しまった、また強い口調になってしまった。

「あんまり心配かけさせたく、ないな。」

小さな声で呟いたのを、私は聞き逃さなかった。

「黙ってる事が心配かけささないって言う事と違います。
むしろ、何も話してくれないことの方が心配になります。
私だったら、悲しいです。」

何も心配かけささないことが、その人に対する優しさだと思ってた。

俺、間違ってたんやろか。