また新たなる出会いへ ページ48
また新たなる出会いへ
「ねぇ、これめっちゃ美味しいね。」
市場調査のために来た、新しい施設。
ひとつの建物に何件ものお店が入っている。
一件一件が屋台風になっていて、
いろいろなお店から食べ物を選んで買うことができる。
「これ食べたら、あっちの店行ってみない?」
こんなにやすがはしゃいでいるのは、久しぶりだ。
「そうやな、あれも美味しそうや。」
俺の好きそうなラーメン。
「なぁ、俺たちの店もこうして楽しんでくれる趣向をこらした店を考えたいよね。」
「そうだね。
癒しと楽しさと美味しさを提供できる店。
ねえ、一つ聞いていい?」
「ん?」
「やすはどんな時が癒されるって思うの?」
「そだなぁ・・・。」
そう言うと、しばらく黙ってしまった。
あれ?まずい事、聞いちゃった?
やすの顔を見ると、頬が赤らんでいる。
どした?やす。
「あのね、こんなこと言ったら、めっちゃ恥ずかしいんだけど、いくら考えてもこれしか思いつかんねん。」
「いいから、言ってごらん。」
「あのね、俺が癒されるって思うのは・・・。」
落ちつけ俺、何を言われても・・・落ちつけ。
「あのね、
俺、おーくらに抱きしめられてる時が、
めっちゃ癒されてるし、幸せやねん。」
「へ?」
「おーくらの温かい胸の中に包まれているのが、ほんまに落ち着くんよ。
ダメかなぁ。」
「ダメなんかじゃないよ。」
ほんとは飛び上がりそうに嬉しかった。
けど、ここは家じゃない。(笑)
「やすの居心地の良い場所は、俺でいいのかな?」
「うん!」
「いつまでも居心地の良い場所でいられるように頑張ります!」
「ありがとう、嬉しいよ。」
「俺、あの店作って良かった。
もっとみんなの癒しの場所になれるように、頑張るよ。」
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作者名:niko | 作成日時:2019年12月27日 22時