横子さんの憂鬱�� ページ37
横子side
「カフェでバイト？」
いつのまにか、店の入口に倉子さんが立っていた。
「カフェじゃないでしょ。
横子さん、この人達が働いていたのはね、」
「あら、倉子ちゃん。」
「横子さんも来てたんですね。
こんばんは。」
「倉子ちゃん、こんばんは。」
「あら、今日はくまさんがいないわ。」
「そうなんですよ。
ちょっと出掛けてまして。」
「あら、珍しいわ。
あなた達が離れてるなんて。(笑)」
「そなの？倉子ちゃん。
どういう事かしら。」
「横子さん、そのうちわかるわよ。」
わかるって、どういうことかしら？
「この人達が働いていたのはね、カフェじゃなくて、barなのよ。」
「bar?」
「まぁ、それはほんとなんですけど、準備とか裏の仕事してたんです。」
「高校生なのにね。
まったくよね。
良く見つからずに卒業できたわね。」
「それって、ほめられてます？」
「安田さん、ほめてませんって。(笑)」
「でも、その経験があったから、今があるんですよね。」
「横子さん、さすがだわ。」
「倉子ちゃんはなんでも知ってるのね。」
「そうなの。
この人達、何でも話してくれるの。」
「そうなの？」
「隠し事をしないというか、隠そうとしないのよ。
それで良い事もあるけれど、悪いこともあるのよ。」
「倉子さんにとって悪い事って？」
「安田さん、それを私の口から言わせたいの？(笑)」
倉子ちゃんのその言葉に、ちょっとだけ固まってしまった。
「そんなの、決まってるでしょ。」
「え？」
「安田さんに彼がいることよ。」
え？今なんて言った？
彼って言ったわよね。
私の耳がおかしいのかしら。
ホントだったら、彼と彼女、よね。
彼って言ったわよね。
安田さんに、か、れ、・・・(驚)
ま、まじ？
う、嘘〜。(泣)
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作者名：niko | 作成日時：2019年12月27日 22時
