bar big bearへようこそ！2 (ページ36)

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横子さんの憂鬱⑨ ページ36

横子side

私、何やってるんだろう。

サングリアを飲みながら、自分の事を考えていた。

母親が働いていたから、弟たちの親代わりと
なって一生懸命家事をこなしてきた。

弟たちが一人前になるまで、自分のことも
何も考えずに来た。

だから、いざ一人になると、私これから何をやって良いのか、わからなくて。

とりあえず一人暮らしを始めてはみたものの、アルバイトをこなすだけの日々。

夢はあの時に封印したまま。

母が私たちを連れて家を出たあの日。

私はあの時、自分も封印した。

結局私はあの時のまま、

安田さんも大倉さんもちゃんとした夢がある。

その上、その夢に向かい、一歩一歩進んでいる。

私があの時見ていた夢って、

何だったんだっけ？

「お二人の夢なんですね？」

「そうなんです。」

「あの～？」

「はい？」

「いつからお二人の夢になったんですか？」

つい聞いてしまった。

二人して同じ夢を見ている。

どうして？

どこで？

そんな方と、どうやったら出会えるの？

「僕たち、高校の同級生なんです。
高校3年の夏休み、進路も何も決まってなかった俺たちは何かやらないと行けないと思いあるアルバイトを始めたんです。

それが、カフェでして。」