おかえり。�� ページ41
やすside
早くおーくらに会いたくて、新幹線に飛び乗
った。
マネが取ってくれた指定席に座る。
きっと遠距離恋愛の恋人同士って、こんな気
持ちなんだろうな。
やっと会える嬉しさと、
近ずいていくたびに高鳴る鼓動。
会った時にまずなんて言おうかな、
なんてことを考えてるんだろうな。
嬉し恥ずかし、けど楽しい、みたいな。(笑)
あ、そうだ。
おーくらにLINEしなきゃ。
えーと、
無事、新幹線に乗りました。
後もう少しで会えるね。
俺、
お腹、めっちゃ空いてるからよろしくね。
じゃあまた後でね、
バイバイ。
それと、これこれ。
ペンギンのスタンプをポンっと。
既読つくかなぁ。
それとも、ご飯作って忙しいかなぁ。
なんて思っていたら、速攻で返信が来た。
「りょ。」
えー、それだけ？
おーくらは女子高生か？
って一人で突っ込んでみたけど、
聞こえるわけ、ないか。(笑)
すると、おーくらからLINEが。
「今、俺の事、女子高生かって思ったや
ろ？」
げっ、何でわかるんやろか。
こ、怖っ。
「俺はやすの事は何でもわかるんやで。(笑)
どう？図星やろ？」
確かに。
そう返信しようと思ったけれど、
それじゃつまらないと思って、
「さすが俺の王子様やね。」
って返信した。
「そやろ？
王子様は何でもお見通し〜。」
「へへ、やっぱり？」
「当たり前やん。」
おーくらとのこんな会話が俺にとっての癒し
の時間になる。
癒しとは、
心理的な安心感を与えること。 またはそれを与える能力を持つ存在の属性である。
俺にとっての癒しはおーくらの存在で、
おーくらにとっての癒しが、
俺であって欲しいな。
そう言ったらきっと、
やすは馬鹿だなぁ。
そんなん決ってるやろ。
って笑ってくれると思うけど。
俺はカバンからタディのぬいを出した。
「さぁ一緒に帰ろうね。」
「ねぇ、お母さん。
あのお兄さんのおひざに、ぬいぐるみ置い
てあるよ。」
「あら、そうね。」
「お兄さんもぬいぐるみ持つんだね。」
「きっと大切にしてるものなのよ。」
「お兄さんの大切にしてるもの？」
「そうよ。
みんながそれぞれ大切にしているものがあるのよ。
あなたにも、私にもね。」
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
