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七夕のお願い。�� ページ28
おーくらside
やすをマンションまで送ってきた。
「ありがとう。
じゃあね。」
そう言って歩きだしたやすを俺は呼び止め
た。
「やす？」
「ん？」と振り向いた彼の唇を奪った。
「離れたくなくなるやん・・・。」
見ると目をうるうるさせている。
「これから個人の仕事になるけど、頑張っ
ておいで。
俺はいつでもここで待ってるから。
両手広げて待ってるから。」
この言葉で本気で泣かれてしまった。
俺は彼を抱きしめながら、頭をぽんぽんし
た。
「大丈夫、頑張れるよな？」
「うん、俺頑張るよ。
おーくらに負けないように。
胸を張ってみんなのところに帰ってこれる
ように、だからね、」
「どした？」
「もう一回、チューして？」
「ええよ。」
そっと目をつぶったやすの唇を重ねあわせ
る。
熱い吐息が俺の心も熱くする。
空をみあげると、星が輝いていた。
「このままでいったら、七夕の日には天気
が良さそうだね。」
「そだね。」
「一年に一回のデートの日だもんね。
無事に会えますように。」
「それじゃね、体にきをつけて、決して無
理したらあかんからね。」
「うん。」
「それじゃね、俺帰るね。
またLINEする。」
「待ってるね。」
俺はタクシーに乗って帰路についた。
さぁ、俺も負けないようにしなきゃ。
それにしてもやすの短冊、気になるなぁ。
なんて書いたんやろか。
こっそり見に行ったろかいな。(笑)
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
