七夕のお願い。�� ページ27
やすside
「なぁ、わかった？」
公園のブランコに乗ってスマホをいじってい
るおーくらに、買ってきた飲み物を渡した。
「ほら。」
「thank you!」
「それでわかったの？」
「おう、わかったで。
簡単に言うとな、働かなくなったからや
て。」
「ん？どういうこと？」
「織姫と彦星様って、紹介されて結婚した
んやけど、二人でいるのが楽しくて、まっ
たく働かなくなったんやて。
それに怒った神様が二人を引き離したんだ
って。」
「そなの？」
「そうらしいよ。」
「それで川越しに別れさせられたんだ。」
「で、それも可哀想だから一年に一日だけ
会える日を作ったんやて。」
「そんな話があったんだね。
何かちょっと可哀想だね。」
「まぁ、仕方がないとこもあるよね。
働かなきゃ、ダメでしょ。(笑)」
「その点、俺たちは大丈夫だな。
ちゃんと働いてるし。」
「だからこうして会っていられるんだよ
ね。」
「そっかぁー、そだよね。
あ、そう言えばさっきこれ貰っちゃった。」
俺はカバンから、二枚の紙を出した。
「これは？」
「短冊だよ。」
「七夕の？」
「うん、さっきね配ってる人がいてね。
ここに竹がありますから是非短冊に願いを
書いてここに付けてください。
って言われたの。」
「そうなんだ。」
「ほら見て、ちゃんと二枚もらってきた
よ。」
「あ、俺の分も。」
「そう、だって一緒に願い事したいやん。」
「でも書くものが、無いなぁ。」
「俺、持ってるよ。」
カバンの中を探し、サインペンを取り出して
おーくらに渡した。
「お前のカバンの中は何でも揃ってるな。」
「そやろ？」
「めっちゃ便利やわ。」
「でしょ。(笑)
これって見せたらダメなやつなの？」
「それは、無いと思うで。」
「そっかぁ。
じゃ、安心やな。」
「おーくらのお願い事ってなぁに？」
「え？内緒。(笑)」
「えー、」
「じゃあ、やすのを教えて？」
「内緒。(笑)」
「じゃあ、いいもん。
こっそり見ちゃうから。」
「じゃあ、俺もそうしよ、っと。」
「では、そろそろ帰りましょうか。」
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
