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「本当に、ありがとうございました。手伝っていただけて助かりました」
彼女がぺこりと頭を下げる。話す前の想像と違わず生真面目で甘え下手な子だけど、意外と可愛いんだな、と彼女の知らなかった内面を知って少し嬉しくなると同時に、彼女ともっと仲良くなりたいという欲求は強まっていく。特に深い意味も特別な意味もない。ただ友達として仲良くなりたいと思った。
「また何かあったら手伝うよ。今日はもう帰るのか？」
「いえ、この後予定があって。一度家に帰るのも面倒なので、学校で時間を潰そうと思ってるんです」
「あ、もしかして仕事を引き受けたのって」
「ええ。暇だったから、ですね」
だからお仕事をくださるあの二人には感謝してるんですよ、とクスクス笑いながら続ける。断るのが苦手だから引き受けているわけではなく、ただ自分の利害と一致するから引き受けているだけだと言う彼女は、どうやら弱いわけでも気が小さいわけでもないようだ。決して弱気ではない、むしろ余裕ありげな彼女の笑顔を見てそう確信する。
「もう帰るんなら送っていけたんだけど、予定があるなら仕方ないな。暗くなるし気をつけて帰れよ」
「お気遣いありがとうございます。また明日」
窓ガラス越しに差し込む夕日を背に受けて彼女は綺麗な笑顔を浮かべていた。それがあまりにもきれいで儚げで、今にも消えてしまいそうだったから、本当に明日会えるだろうかと本気で心配してしまった。
「遅かったじゃねえか」
教室の外に出ると、他クラスの友人が壁に寄りかかりながら声をかけてきた。待たせた分際でこう言っては失礼かもしれないけれど、てっきりもう帰っているものだとばかり思っていたので驚いてしまった。
「待っててくれたのか？ 遅れてごめん、クラスメイトの仕事手伝ってた」
「知ってる。今日はお前がラーメン奢るって約束だからな！」
「だから待ってたのか。わかってるよ、待たせた分もちゃんと奢る。大盛り頼んでいいぜ」
「よっしゃ！ トッピングの玉子もつけたいんだけど」
「わかったよ」
やいやいといつものようにふざけ合いながら、行きつけのラーメン店へと向かう。校舎の外に出ると、もう沈みかけた夕日と、静かな黒を滲ませながら街を包んでいく空が見えた。これから訪れる夜を歓迎するように、ふっと街灯がついた。
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＊IJu＊(プロフ) - これからもこっそり更新楽しみにさせて頂きます……！ (2021年11月4日 21時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - いつもこっそり更新を楽しみにしている者ですが、まさかの自分の最推しのお話が更新された事に興奮してしまい…コメント失礼しますorz偽薬さんの小説はどの子のお話も最高に最高で(語彙力)文章も素敵で大好きです…！！ (2021年11月4日 21時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - 黄昏さん» こちらこそありがとうございます。黄昏さんのイラストですので、もちろん外部サイトに投稿していただいて問題ありません！ URL記載も任意で構いませんよ(^^) (2021年2月19日 17時) (レス) id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
黄昏(プロフ) - 偽薬さん» ありがとうございます…！嬉しいです！描いたイラストなのですが占ツク以外にもTwitter等に投稿してもよろしいでしょうか？(URL記載致します。) (2021年2月19日 15時) (レス) id: 0afb2c72bc (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - 黄昏さん» はじめまして、偽薬です。お褒めいただき恐縮です！ ファンアートの件、もちろん大歓迎です！ 楽しみにしてますね！ (2021年2月19日 3時) (レス) id: 2a0f159948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：偽薬 | 作成日時：2018年10月18日 0時
