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次の日。白石は学校を休んだ。
理由は単純明快、風邪を引いたからである。
「お母さん今から出掛けるけど、何か欲しいものとかある?」
『いや、大丈夫……』
「分かったわ。まったく、体弱いのに調子に乗るから…」
『それはもう耳にたこができるほど聞いたよ』
それに笑うと母は静かに部屋から出ていく。
白石はひとつ咳をしてから、これは明日も学校無理だなと朝の時点で察した。
こういう時は何もせずに大人しく寝てるのが1番。小さいころから培った当たり前のようでとても大切な知識を頭の中に浮かばせながら、白石は目を瞑った。
ーーー
次に白石が学校に来たのは、尾刈斗中の試合から3日が経った日だった。
『秘伝書?』
「あぁ、これがそうなんだけどさ」
制服姿にマスクをした白石に風丸は例の秘伝書を渡す。
白石はページを捲って、転校当初に見たことのある懐かしい文字を見て思わず苦笑いを浮かべてしまった。
『……はは、個性的だね?』
「いやおっそろしく汚い字なんだ」
つまり、誰も読めないということ。
理事長室に忍び込んで金庫を開けようとまでしたのに(開かなかったが)その結果がこれである。風丸と染岡は、白石とノートを眺める円堂の名を呼んだ。
「「円堂!!」」
「すっげー!ゴットハンドの極意だって!」
「「「読めるのかよ!!」」」
「だってじいちゃんの特訓ノート読んでるから。俺も最初、なに書いてあんのか分かんなかったんだけどさ。少しずつ読めるようになったんだ!」
『強引な教育方法だなぁ』
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
