【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】 (ページ2)

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「おいおい円堂!知らなかったのかー?」

「クラスでは話題になってるよ」

クラスメイトにからかわれる円堂は「俺そんなの聞いてねぇ!!」と反抗する。
そりゃあそうだ。その報せが来たとき、彼は先程のように夢の中に居たのだから。

落ち着きを取り戻した円堂は椅子を直し、そこに座って例の転校生の事を考えた。と言っても、彼が転校生に向けている興味は“サッカーをやってるのかやってないか”だけなのだが。
雷門にサッカー部が無いことはない。しかし如何せん部員が集まらず、今のところ揃っているメンバーは後輩と同級生しか居ない。加えて、全員ヤル気が見られない。

だからこそ円堂はひっそりと期待していた。
その転校生は、サッカーが好きで、実力も兼ね備えた凄い奴なんじゃないかと。

つい数分前に知ったばかりの転校生に希望をかけすぎていることは否定できないのだが、案外その夢は叶ったりするのが現実だ。

「ほら、席ついてー」

朝のSHRを始めるべく入室してきた教師を目にすると、席を立っていた生徒達は速やかに自分の席に戻り、いつになく真剣に教師の話に耳を傾けた。

「＿朝の連絡は以上だ。
で、転校生が来ることは前に言ったと思うが、早速紹介しよう」

教師は「入ってくれ」と廊下に居るであろう転校生に声をかける。
控え目な音を立てて扉が空き、生暖かい風が教室に舞い込んできた。

彼は教師の隣へ行くと、なにも言わずにチョークを手に取り己の名前を書き始める。

＿"白石 A"

その名前は、教室全体を奮わせた。