36 ページ36
次の日の放課後。
部室に集まった部員達は、染岡を除いて嬉しそうな表情を浮かべていた。前に立つ豪炎寺と円堂に全員の視線が注がれ、円堂も先ほど渡された入部届を見て全員を見渡しながら告げた。
「これで豪炎寺は雷門中サッカー部の一員だ。皆仲良くやろうぜ!」
「豪炎寺修也だ」
「豪炎寺さんが俺達と一緒に……!!」
「これで怖いもの無しだね!」
宍戸と少林寺の声に、我慢ならずと染岡が声を上げた。
「待てよ。うちに何の用がある。
雷門中には俺の必殺技シュートがあるじゃねぇか!」
「染岡……」
『……』
「どうしたんだよ、染岡。雷門中のストライカーが2人になるんだぜ!こんな心強いことはないじゃないか!」
染岡の反応に少し戸惑った円堂がそう言うも「ストライカーは俺ひとりで十分だ」と染岡
は豪炎寺を認めない。それどころか豪炎寺までも「結構つまらないことにこだわるんだな」と売り言葉に買い言葉である。
癪に触った染岡が豪炎寺につかみかかったところで、部室の扉が開いた。
「皆、いるー?」
「これ見てください!」
「……チッ」
流石にマネージャーの前ではまずいと判断したのか、染岡は乱暴に掴んでいた袖を離す。
白石は相当気が立っている染岡の背中を何も言わずに軽く叩いた。
ーーー
DVDプレーヤーに映る何処かの試合ビデオを見て、白石はマネージャーの方を向く。
『音無さん、これは?』
「尾刈斗中の試合です!」
「こんなのどこで……」
「えへへ、新聞部の情報網を使ってゲットしたんです!私にかかればこんなのおちゃのこさいさいですよ!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
