【ヒプマイ】狂ったように愛して3【反応集】

【麻天狼】 ページ25

.


神宮寺寂雷


「薬を処方するだけが、医者の役目ではないからね」


彼の病院に通っていたということもあり、貴女が精神安定剤を処方されたことを知っていた彼。

処方されてから久々に彼の家にお邪魔すると、貴女は真っ先に彼の腕の中へと閉じ込められます。

トントンとまるで子どもをあやすかのように頭を撫でられ、緊張の糸がほどけた貴女。

安心感からかただ貴女の目からは大粒の涙がこぼれ落ちていきます。

どれくらい泣き続けていたでしょうか。

何も聞かずにただ貴女を受け止め続けていた彼に、徐々に貴女の心は絆されていき。

「...医者だけでなく、君の恋人としても側にいさせてくれないか」

そう言って貴女の額にそっとキスを落とした彼に、貴女は頬を赤らめながらも小さく頷きました。




伊弉冉一二三


「っ、君の苦しみを僕も一緒に背負わせてほしい」


同じ夜の職業ということもあり、スーツ姿の彼と仲良くなっていった貴女。

女性恐怖症である彼は、貴女に想いを告げぬまま密かに恋心を抱いています。

そんな中、開店前の店の外で荒い呼吸をしながら薬を飲む貴女の姿が。

その姿は普段彼に見せる明るい表情とは全く異なり。

何かを堪えるように顔を強張らせ、貴女は涙を堪えながら息を吐き出しました。

スーツを着ているせいなのか、それとも。

彼は考えるよりも先に貴女の元へと駆け寄って、ぎゅっと貴女を抱き締めます。

『...何で私にそこまで言ってくれるんですか』

「君は、僕の大切な人だからだよ」

弱々しくどこか震えた声で尋ねた貴女に、彼は一層抱きしめる力を強めました。




観音坂独歩


「お前最近顔色悪いぞ？大丈夫か」


後輩である貴女が精神安定剤を飲んでいる姿を見て内心かなり驚いている彼。

しかし唐突にそんなことを聞くわけにもいかず、少し時間を空けて彼はそう尋ねました。

『せんぱ〜い、優しいですね』

そんな彼をどこか茶化すようにそう言った貴女は、彼に心配されまいと無理やり口角を上げていて。

貴女を側でずっと見てきた彼だからこそ、貴女が無理していることぐらい分かっています。

「よしっ、今日は早めに終わらせて飲み行くか」

『先輩の奢りでっ！？』

「ああ」

やったー、と今度は嬉しそうに笑った貴女にどこか彼はほっとしたような表情を浮かべ。

そのまま何時間も居酒屋で愚痴を繰り広げていた二人は、げっそりとした顔で出社していくことでしょう。




.

【Bad Ass Temple】→←【Fling Posse】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す