イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ15)

今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:63,726 hit

（１３）交代ページ15

風丸「……あ…まの…そら…」

聖悟「喋るな」

秋「わ……私、部室から救急箱取って来る！」

聖悟「必要ない」

風丸の額に手をかざすと、痛みに歪められた彼の表情が忽ち和らいだ。

聖悟「アンタは休め」

風丸「でも、交代する選手がいない……！」

聖悟「……あのさ、余ってるユニフォームある？」

秋「あ……ある、けど……？」

聖悟「一着出して来て。

……試合に出るから」

雷門のユニフォームを身に纏って、風丸とメンバーチェンジをする。

フィールドのラインに足を踏み入れて視線が集中する中、スッと息を吸い込んだ。

聖悟「帝国イレブン。何が目的かは知らねーけど、選手を勝手に痛め付けないでくれる。……ただいたぶるだけが目的なら、僕を攻撃すれば」

僕はかかって来いと言わんばかりに両手を広げた。

円堂「天空？！」

聖悟「…………」

寺門「いい度胸じゃねぇか」

辺見「だったら遠慮なく……」

咲山「ブッ倒れるまで痛め付けてやるよ！」

寺門、辺見、咲山の3人がすぐさま周りを取り囲み、四方八方から僕の肩や顔、腹などを狙ってシュートを連続で打ち込んでくる。

豪炎寺「(あいつ、試合が終わるまでに自分の体を犠牲にするつもりか……？！)」

秋「天空くんっ…………！」

聖悟「…………」

ボールのぶつけられるがまま、彼は逆らわずにいた。

叫びどころか呻く声さえ聞こえず、人形のように痛がる顔もせず、重力にさえも逆らわずに簡単に倒れた。

寺門「結構たやすいヤツだったな」

咲山「あぁこの位痛め付けりゃ立ち上がれるわけ…」

3人が嘲るように笑っていると咲山はふと、目を見開いた。

聖悟「テメェらの力はそんなモンかよ」

彼は何ともないみたいに立ち上がったのだから。

聖悟「ずいぶんヌルいタマしてんのな。こんなんじゃ直接殴る方が早(はえ)ェんじゃね」

豪炎寺「……！？」

寺門「まだやるっていうのか！」

しつこさに苛立って歯軋りをした寺門、次に辺見、咲山の順にまたボールラッシュが巻き起こる。

恐怖で足が動かなかった目金が、見ていて嫌になったのかフィールドの外へと駆け出して行く。

目金「あわわ………い、嫌だっ！もうこんなの嫌だああああ！！」

角馬「なんと、雷門、エースNo.10を脱ぎ捨て、目金が試合放棄！雷門は、10人になってしまったー！」

風丸「天空………」

豪炎寺「………ッ！」